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幕末

桃花水暖かにして軽舟を送る

「酒を愛すること妻の如く、酒を惜しむこと銭の如し」と謳ったのは頼山陽先生である。先生の才能と酒のコラボレーションが、あのようなドラマチックな世界を生み出した。詩を作り酒を飲むことを表す「詩酒(ししゅ)」という熟語がある。まさに詩酒を山陽先生...
南北朝

日本最古の在銘石鳥居

「さすがご隠居、無駄に鳥居の数をくぐっちゃいないねエ」八っつぁんがご隠居の知恵に感心している。人の情けや人生の機微を知る人には学ぶことが多い。この場合、鳥居をくぐるのは歳を重ねることを意味している。ところで、人が鳥居をくぐるようになったのは...
安土桃山

荒木村重という一つの生き方

大河ドラマ『軍師官兵衛』では、田中哲司が荒木村重を、武将としての迫力を見せながら、心の内側にあるものも上手く演じていた。その村重は、伊丹市で「街づくりの先駆者」と評価されている。ここ摂津伊丹に有岡城を築き、城下町を整備したからだ。伊丹市伊丹...
江戸中期

俳諧を芸術にした男

俳句は世界一短い詩だと言われる。たった17文字で描かれる情景と、そこに込められた宇宙観。誰にでもできそうに思えて、なかなか秀句は作れない。奥の深い芸術なのである。本日は「東の芭蕉、西の鬼貫」と、あの松尾芭蕉と並び称された俳人、上島鬼貫(うえ...
南北朝

忠臣は孝子の門より出づ

日本史上、最強なのは藤原氏一族だと思う。飛鳥時代の藤原鎌足から昭和の近衛文麿に至るまで、高官を独占していた。政治史においてはそうかもしれないが、精神史においてはどうだろうか。いかに後世に影響を与えたかという指標で評価すれば、楠木正成をはじめ...
安土桃山

10mの人喰いハンザキ

山椒魚といえば井伏鱒二だ。「コロップの栓」のようにつかえて出れないサンショウウオの話である。この話が荒唐無稽に思えないのは、狭い世間で小さなバトルを繰り返している私たちに向けた寓話だからだろう。サンショウウオには気の毒だが、あのごつごつとし...
明治

6km走った手作り自動車

平成28年度の自動車国内生産は、936万0278台だったそうだ。平成2年には1,349万台だったが、その後は海外生産が伸びたため、そんな数字を聞くことはなくなった。それでも、我が国の経済界において自動車は基幹産業の地位を占めており、今年の春...
明治

日英同盟とは何だったのか

現代日本外交の基軸である「日米同盟」は、将来どのように評価されるのだろうか。日本の平和と安定に寄与したことは疑う余地がないが、辺野古に象徴されるように、基地提供という負担も大きい。かつての「日独伊三国同盟」は、冥土の旅の一里塚のようなもので...
奈良

正倉に納められたお宝

正倉院の校倉造(あぜくらづくり)は、湿度の高い時には木材が膨張して外気を遮断し、内部の宝物を湿気から守る。昔、そう習ったような気がするが、フェイクニュースか都市伝説の類らしい。調湿機能は先人の知恵と、妙に納得していただけに残念だ。その正倉院...
幕末

ライバルは、寛政十二年

子どものころ、鳥居の上に石をのっけて遊んでいた。投げた石の着地点が、放物線の頂点をわずかに過ぎた点と一致すれば上手くいく。とはいえ、行為として適否を問うならば、いいことではない。鳥居の先は神域である。一礼してくぐるようにしたい。日本一大きな...