明治

20年を経て解決された水争い

先日、香川用水記念公園に行き、阿讃山脈を抜けた水が勢いよく流れ出しているのを見た。高松砂漠とも呼ばれた異常渇水を経験した香川県民にとって、一日千秋の思いで渇望していた命の水であった。いっぽう徳島県側では水量が減少することへの懸念が示され、導...
安土桃山

白湯ばかりで茶はないんかい

菊池寛『形』は身形が相手に与える影響を見事に活写した小品である。また、一休禅師は粗末な身形で軽んじられたが、格式高い法衣を纏うと丁重に扱われた。この時、禅師は「お前たちがもてなしているのは、この服だろう!」と喝破した。さらに、水戸黄門は身分...
古墳

古墳に帰ったトンボたち

ずっと前に「トンボの文化史 童謡の里たつのにおいて」という秀逸な展覧会があった。「赤とんぼ」の時報が流れるたつの市ならではのこだわりで、人々がいかにトンボを愛してきたかがよく分かった。特にトンボの前立ての兜が印象的で、「頭にトンボなんて、な...
江戸前期

帰りたいと泣いた観音さま

「鷹の爪」と言えば、アニメかトウガラシのことだ。アニメはよく見たし、トウガラシは時々料理に使っている。だが、本物の鷹の鉤爪は見たことがない。どのくらいの握力があるのだろう。岩に留まったら痕が残るのだろうか。赤穂市有年原に「小鷹の観音堂」があ...
鎌倉

八岐大蛇伝承・異説

第26代継体天皇の御陵墓は茨木市にある太田茶臼山古墳(三嶋藍野陵)とされているが、考古学の研究成果により高槻市の今城塚古墳が真の継体陵だと言われている。思ってたんと違う。歴史には時々、こんなことが起きる。本日のケースはどうだろうか。兵庫県赤...
戦前戦中

上道郡財田町にあった二つの駅

地理院地図の検索によれば「財田」という地名は三か所にある。北から北海道虻田郡洞爺湖町財田(たからだ)、岡山県上道郡財田(さいでん)町、香川県三豊郡財田(さいた)町だ。このうち瀬戸内二県の財田町は今はなく、両地区とも「財田小学校」が今にその名...
奈良

あまんじゃこと石の伝説

『常陸国風土記』に登場する巨人は「上古(いにしえ)人あり。体は極めて長大(たけたか)く…」と説明されるが名前がない。それでは面白くないと思ったか、いつのまにかダイダラボウと呼ばれるようになった。先日、「高きかも」と言って気持ちよく背伸びした...
戦後

カナソ・ハイニノ国の遺跡

1980年代にはミニ独立国ブームが全国で盛り上がっていた。井上ひさし『吉里吉里人』に登場する吉里吉里国が、本当に独立宣言を出したことがきっかけとなったようだ。様々ある独立国の中でも「カナソ・ハイニノ国」は異国情緒あふれる国名で記憶に残ってい...
奈良

「高きかも」と伸びてゆく

聞くところによれば、南国市に「錦城(きんじょう)」という地名があり、その由来は「お互いいい“近所”づきあいを」という願いを込めたダジャレ地名だという。戦時中の集落整理で誕生したというから、そんなに古い地名ではない。地名の由来が記された古い文...
古墳

多可郡の中心部を開発した人々

地名は土地に刻まれた記憶遺産であり、大切にしたい。本日紹介する場所は「兵庫県多可郡多可町中区」なのだが、古代には「播磨国多可郡那珂郷」であった。那珂郷は「中郷」とも書いた。平成の大合併前は「中町」、現在の多可町役場も近代の郡役所も今の中区中...