鎌倉

大村寺にある謎の石塔たち

鎌倉時代の石造物に大きな足跡(鑿跡)を残しているのが、伊派という宋人石工集団である。伊行末(いのゆきすえ)を祖として後継者が各地で活躍した。備中、今の高梁市で活躍したのは伊行恒(いのゆきつね)。井野行恒と刻銘された作品が文化財指定されている...
戦後

蟹地獄とは何か

家に別府地獄めぐりの古い絵葉書があって、小さい頃よく見ていた。血に染まった血の池地獄、ぶくぶくしている坊主地獄、さわやかな海地獄、それにワニがうようよするワニ地獄もあるという。一度行ってみたいとワクワクしたものだが、いまだ行ったことがない。...
平安

富草の大村山に見ゆる

藤原道長は歓喜の絶頂だった。一条天皇に嫁いだ娘の彰子が、待望の男子を産んだのである。『紫式部日記』は次のように伝えている。或時は、理(わり)なき事(わざ)しかけ奉り給へるを、御紐引解きて、御几帳(みきちやう)の後にて焙らせ給ふ。「あはれ、此...
奈良

峩洋の意を問はんと欲すれば

私がAIの利便性を実感しているのは、漢詩の解釈である。漢字の羅列にしか見えない詩文を、文法に沿って書き下し分かりやすく訳す。どこぞのサイトから引っ張ってきたと思ったらそうでもない。これまで学習から類推して独自の表現をしている。なかなかいい相...
江戸前期

宇喜多騒動の勝者は誰か

既得権益を打破する構造改革。うま味を享受してきた特権階級は激しく抵抗するだろうが、それに怯むことなく改革を断行せねばならない。民の暮らしを守り新しき世をつくるのだ。そんな気概を抱くのが大河ドラマ「豊臣兄弟!」に登場する武将たちである。いつの...
江戸前期

夜更かしの楽しみ

身体の中に虫がいると聞くと、ゲッ、寄生虫かと思うが、昔の人々は「三尸(さんし)」という虫がいると信じていたらしい。この虫、庚申の日の晩に眠る人の身体を抜け出して、天帝に「うちの旦那ってさ、こんな悪いことしてましたぜ」と告げ口をして寿命を縮め...
大正

事件のもう一つの舞台

桜田門外の変は政治テロ以外の何物でもないが、明治維新へと向かう時流の起点として見られている。幕府首脳を暗殺し政治権威を傷付けたという意味では倒幕の先駆けと言えるだろう。確かに吉田松陰など維新の先哲を弾圧したので分が悪い井伊直弼だが、考えてみ...
戦後

鉄道のまち小郡の小遺産

扇形庫でよく知られているのは、京都の梅小路運転区や津山の扇形機関車庫である。どちらも観光地として人気スポットになっている。かつてSLは進行方向を変えるため転車台を利用していた。その周囲には放射状に線路が敷かれ、扇形の車庫が置かれることがあっ...
幕末

幕府使者の理不尽な死

文久二年(すでに1863)十二月五日、幕府は攘夷を奉勅した。破約攘夷の文久国是が確立したのである。しかしながら、解釈によって国論は二分されていく。いや幕府をはじめ大半の藩は、攻撃された場合に迎え撃つ「襲来打払」という常識的な考えだったが、朝...
鎌倉

深い歌枕「小夜の中山」

宇都宮は餃子の街かと思ったら、百人一首にも深いゆかりがあるという。この地で中世を生き抜いた宇都宮氏の五代当主頼綱は歌に秀で、あの藤原定家と親交があった。自分の娘を定家の息子に嫁がせるほどであった。また頼綱は、北条時政の娘(母は牧の方)を妻と...