主郭と土塁と堀切と

「酷道」や「険道」と呼ばれる国道や県道がある。このブログでも「1.5mの険道をゆく」で岡山県道455号小山桑上線をレポートした。普段は広い道ばかり快走しているから、道が狭くなると二進も三進もいかなくなったらと不安で仕方ない。

しかし考えてみれば車に乗っているからそう思うのであって、歩くには何ら問題がない。徒歩が当たり前だった時代から存在する歴史ある生活道だったのであろう。

岡山県小田郡矢掛町矢掛と東三成の境に「山本城跡」がある。

城の直下を県道282号市場青木線が通過している。ここから山へと山へと入っていくと総社市新本に抜けることができる。さらに玉島往来(県道54号倉敷美袋線)に出るなら松山(高梁)にも行くことができる。

実際には走行していないのだが、県道282号を新本峠へと進むと、幅員「2.2m」の標識があったり鉄板で補強された路肩だったりと、けっこうな険道らしい。

城は東三成の平野部から山中への入り口にあり、備中の南北交通を押さえる意味があったと思われる。山陽道が通過する南への眺望に優れ、北に続く尾根は見応えのある深さの堀切で遮断されている。広い主郭と堀切の間には土塁が築かれ、コンパクトながらよくできた構造だ。

城主は分からない。それ以前に城跡の文献記録がないようだ。三村氏に近い有力者が築いた、と考えるのが自然な気がするが、どうだろう。そもそも戦国時代の軍勢はどのような道を移動していたのだろう。それこそ酷道、険道ばかりだったのではなかろうか。

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