江戸中期

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名門土岐氏が領した棚田

土岐氏は美濃源氏の名族だったが、頼芸(よりのり)の代に没落する様子が大河『麒麟がくる』で描かれていた。演じたのは尾美としのりさん。人のいい文化人だったから悲劇的な最期を迎えることなく、子孫は旗本として続いたという。一族には近世大名となる者も...
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よみがえった三日月藩陣屋

「春雨じゃ、濡れてまいろう」傘を差し掛ける舞妓に月形半平太が言う。半平太は播州三日月出身で…と聞いたら、そうかなと勘違いするくらいに時代劇に似つかわしい名称の「三日月藩」。かっこいいのは藩名だけではない。この堂々とした建物を見よ。訪れたのは...
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播美国境で考えたこと

播美国境をいかに越えるか。今も主要ルートは二手に分かれている。一つは太平記の故事で有名な杉坂峠で、中国自動車道が通過する。もう一つは江戸時代になって開かれたという万能乢で、国道179号とJR姫新線が通過する。二つの峠の違いを簡単に説明すると...
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ここが思案の福渡

越すに越されぬ大井川、と謡われた大井川の渡し。すぐ近くの場所を現在、東海道本線が通過している。交通の要衝は今も昔も変わらぬということだろう。ここを通らざるを得ない地形上の理由があるのだ。地方の街道とて同じこと。本日は備前岡山と作州津山を結ん...
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歴史は繰り返すという件

アメリカではオバマ大統領の誕生、我が国では民主党への政権交代と、2009年はリベラルな民主主義が確立し、ついに「歴史の終わり」がやってきた、と思ったものだ。全体主義的な独裁政治でも、一部の者だけが幅を利かす寡頭政治でもなく、熟議によって最適...
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洋学者のご先祖さま

「げんぽくん」というどんぐり眼の津山市公式キャラクターがいる。洋学ファンならお気付きであろうが、津山藩出身で語学力を生かし幕末の対外交渉に参画した蘭学者、箕作阮甫(みつくりげんぽ)である。このブログでも「近代を告げた手紙を訳す」で紹介したこ...
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12か村を相手に勝訴した村

「令和」という元号が全国で初めて地名となったのは東京都大田区の「令和島」で、東京湾にある人工島「中央防波堤埋立地」の一部である。この人工島は帰属をめぐって大田区と江東区が17年間も争っていた。令和になった昨年の9月20日、東京地裁が79.3...
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搾り取ったら一揆が起きた!

「苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)」という難しい四字熟語を分かりやすく言い換えた人が、神尾春央(かんおはるひで)という勘定奉行である。「胡麻の油と百姓は絞れば絞るほど出るものなり」こりゃひどい。この言葉を『西域物語』で紹介した経世家の本多利明...
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寛政六年のナビゲーター

今はGPSなるものがあるから困らないが、昔の旅は大変だったろう。目的地まであとどれくらいあるんだ?本当にこの道でいいのか?この分かれ道はどっちに行けばいいんだ?迷いと不安が尽きることがなかったのではないか。GPSがなかった頃、私は登山でもな...
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今に伝える念仏の法灯

言われて初めて気付くことがある。そういえば、お寺や神社の拝む場所には張り出した屋根がある。雨に濡れなくてすむし、意匠としても美しい。この部分を「向拝」と書いて「こうはい」とも「ごはい」とも読む。尊い神仏を拝む場所だから「御拝」とも書いた。だ...