江戸中期

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心頭滅却するならば

寒いときには寒いことしか考えられず、暑いときには暑いことが頭の中を占める。「心頭滅却すれば火もまた涼し」という素晴らしい教えがあるが、快川国師ならいざ知らず私ごとき凡人には到底不可能だ。そんな私でも、この世から去るときに、誰にも迷惑をかけた...
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数の圧力で妥協を引き出す

ウクライナ国境に10万のロシア兵が集結し、もはや侵攻前夜だと言われている。バイデン米大統領は強い制裁を示唆してロシアを牽制し、マクロン仏大統領とショルツ独首相はロシアと直接対話して戦争を回避しようとしている。マクロン氏はプーチン露大統領がウ...
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隔てぬ影や秋の夜の月

赤穂四十七士はみな赤穂出身かと思ったら、そうでもない。神崎与五郎、茅野和助、横川勘平の三人は美作出身で、特に神崎と茅野は作州津山にゆかりがあるそうだ。大石神社社務所『実証義士銘々伝』には、神崎について次のように記されている。与五郎は、美作の...
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飛地の領民を救った名代官

「おぬしもなかなかの悪よのう」「いえいえ、お代官さまほどでは」「なに、わしを悪人呼ばわりするとな」「めっそうもございません。お代官さま」と、代官といえば、悪代官のイメージが強すぎる。しかしそれは失礼な話で、美作国内の天領には早川代官のような...
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伊勢亀山と備中北房、続く藩領の絆

「北房ぶり市」は三百年以上の伝統を誇る大イベントで、現在は毎年2月の第1日曜日に開催されている。山間部ではめったに口にできないブリを、当時の代官が「正月くらいは」と許可したことに始まるという。ステージは「ぶり市許可状伝達式」で始まるが、これ...
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金毘羅大権現の常夜灯

当ブログ開設以来の総アクセス数が73万を突破しました。これもひとえにみなさまのおかげと感謝し、今後の精進を誓います。何卒よろしくお願い申し上げます。歌川広重『東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図』には、大きな天狗の面を背負った男が描かれている。...
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岡山藩の北辺を守った国老

神聖ローマ帝国では、国境防衛の任務に当たった諸侯に「辺境伯」という官職が与えられた。ブランデンブルク辺境伯領が有名で、支配者ホーエンツォレルン家はやがてドイツ皇帝となり、辺境伯領の一部であったベルリンは辺境どころか、ヨーロッパの中心の一つに...
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弥治郎の洞窟と忠犬シロ

公開処刑という言葉を最近の若い人がよく使う。恥をかくとか立場をなくすというニュアンスだが、かつては本当に、公衆の面前で公権力が命を奪っていた。一罰百戒、見せしめのためである。美作最大の山中一揆では51名が処刑され、うち首謀者とされた2名は磔...
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杉の巨木に掛けられた梯子

保守政党自民党内が総裁選で盛り上がっている。世の中、保守主義者を自認する人ばかりではないはずだが、けっこう国民的な関心も高い。そこで提示したいのは「保守とは何か」という問いである。マスメディアが自民党保守派の主張として採り上げるのは「皇位の...
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高級小豆「大納言」の由来

岡山の路面電車に「中納言(ちゅうなごん)」という停留場がある。ホームがあるわけでなく路上に色付けされた枠があるだけのスリリングな電停だが、乗客も車も慣れたもので、お互いにきちんと安全に配慮している。中納言という地名は、江戸期にこのあたりにあ...