奈良 怪物を羊に変えて追放した男 ちょっとした渋沢栄一ブームだ。日本資本主義の父というから、私はすっかり商人の出身かと思っていたら、とんだ間違いだった。今年は大河『青天を衝け』、令和6年には一万円札に登場と、代表的日本人としての地位を固めつつある。歴史は現代を映す鏡と言われ... 2021.03.23 奈良
奈良 有間皇子と但馬を結んだもの 泣ける万葉歌の一つに「家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」がある。家ならちゃんとした器によそうご飯も、旅の途中だから椎の木の葉っぱに盛り付けている。時は斉明四年(658)、孝徳天皇の一人息子有間皇子が謀反の嫌疑で捕らえられ、... 2021.02.23 奈良
奈良 心のふるさと因幡の原風景 現代都市の起源は城下町にある。今から数十日後に死ぬ明智光秀も福知山城を築いて城下町福知山を開いた。中国地方では岡山、広島、萩、松江の城下町も安土桃山から江戸初期にかけて建設されている。今日の舞台である鳥取もそうだ。いずれの城下町にも大きな川... 2020.12.22 奈良
奈良 いろは歌発祥の地 The quick brown fox jumps over the lazy dog.すばしっこい茶狐はのろまな犬を飛び越える。それで?ではない。これはアルファベットのいろは歌で、すべての文字が使用された短文パングラムである。いったい誰が... 2020.11.27 奈良
奈良 伯耆古代史の原風景 鳥取県で東の因幡を代表するのは鳥取市、東の伯耆を代表するのは米子市である。古代から米子は伯耆の中心だったのかと勘違いしそうだが、実際には倉吉市が中心だった。本日は古代伯耆の官庁街をレポートすることとしよう。鳥取県倉吉市国分寺に国指定史跡の「... 2020.08.11 奈良
奈良 お墓のデザインが変化した件 うちのあたりでは農作業で籾摺りのことを「とうす」というのだが、これは「とううす」すなわち「唐臼」から来ているのではないか。臼の実物を使ったことがないので自信をもって説明できないが、臼にはすり臼とつき臼の二系統があり、すり臼は唐臼(とううす)... 2020.07.04 奈良
奈良 空を見上げ、物部氏を思う 「塔の上なるひとひらの雲」と結ぶ秀歌がある。薬師寺の美しい三重塔を見上げれば、澄み切った青い空に一片の雲が浮かんでいるではないか。清々しい秋の空気を感じる歌だ。感動のゴールの決め手は浮かぶ雲だろうが、アシストしたのは三重塔である。そこに塔が... 2019.12.03 奈良
奈良 「児童福祉の母」の流刑 「児童福祉の父」と呼ばれる石井十次は、明治24年(1891)、濃尾地震の震災孤児93人を自らの孤児院に受け入れた。この時代からさらに千百年さかのぼると、「児童福祉の母」ともいうべき先駆者を見つけることができる。『日本後紀』巻八延暦十八年二月... 2019.06.11 奈良
奈良 「明石」と鹿殺し伝説 明石城は今年、築城400年という節目を迎えた。元和五年(1619)に小笠原忠政が築城した。そして、明石市は市制施行100年でもある。大正八年(1919)に明石郡明石町は市制を施行したのである。本日は明石の周年イベントを祝して、明石の地名発祥... 2019.06.04 奈良
奈良 漕ぎゆく舟のあとのしら浪 古文の時間に『平家物語』で俊寛僧都が島に置き去りにされる場面を習った。足摺(あしずり)をして、「是(これ)乗(のせ)て行け、具して行け。」と、喚(をめき)叫べども、漕行(こぎゆく)船の習(ならひ)にて、跡は白浪(しらなみ)ばかりなり。(巻第... 2019.01.31 奈良