gyokuzan

神話

虫明の瀬戸に待ち試みむ

知の巨人、柳田国男は『日本の伝説』において伝説を類型化し、生成の背景や変化について指摘した。伝説の魅力は成長の過程にあると言っても過言ではないだろう。岡山県内から3つの伝説地が紹介されている。久米郡大倭村大字南方中の「二つ柳」については「箸...
戦後

昭和まで県境だった国境

海に囲まれた我が国は、国境を身近に感じることがほとんどない。だが、国内には国境がたくさんある。旧国の境である。今も都道府県境に引き継がれていることが多いが、そうでないケースもある。歴史を振り返れば洋の東西を問わず、土地の境目が移動することは...
弥生以前

見るほどに夫婦に見える二柱

人の顔に見える自然物を見かけて驚くことがあるが、これは私たちが目鼻口を認知しやすい機能を有しているからだという。二つ並んだ岩を見ると「夫婦岩」と呼ぶのも同じかもしれない。試みに地理院地図で「夫婦」を検索すると、全国各地の「夫婦岩」「夫婦滝」...
江戸中期

たのもしや五つの道を守りてぞ

中央にあっては老中白河楽翁、地方にあっては早川代官。松平定信の寛政の改革は厳しい取締りのイメージが強いが、地方行政において名代官を数多く輩出している。やはりトップが明確に方針を示すことで、部下が動きやすくなったのだろう。その改革の根幹は、農...
明治

喇叭手の故郷を訪ねて

国道313号を成羽に向かって走ると、対岸の中腹に「木口小平の生家」と示す看板が見えていたものだ。ああ、あの有名な兵士は、ここの生まれだったか。野山に遊んだ子ども時分には、やがて訪れる運命など想像すらできなかっただろう。ところが近年、どうも看...
室町

美作をめぐる山名氏VS赤松氏

国道482号は、京都府→兵庫県→鳥取県→岡山県→鳥取県→岡山県→鳥取県、と長い旅路の道である。国道9号とは趣を異にする山中の道で、酷道としても知られているようだ。鳥取県と岡山県の県境を4回も通過するが、その峠は東から辰己峠、人形峠、福本峠、...
戦国

備中東部に睨みを利かせた山城

備中に福山という標高300m超の山があり、美しい山容を遠くからでも視認できる。山上の城跡については以前の記事「名を重んずる者をこそ人とは申せ」でレポートした。ここで合戦が行われたのは、北側に位置する山陽道の通過を阻止するためであった。その福...
平安

古代山陽道の駅家二選

道の駅という便利な施設が各地にあり、旅行者が休憩したりお土産を買ったりと、思い出をつくっている。古代にも道の駅があったが、お偉いさんの公務で使われ、乗り継ぎ用の馬が飼育されていた。馬で書類や物資を運ぶ仕組みを駅伝制といい、東京箱根間でタスキ...
源平

変化する平家落人伝説

「隠れ里」とは、お客が少なくて時間と空間を独り占めできるような観光地のことだろう。もっとも「隠れ里」というPRそのものが、隠れるのに不向きなことを示している。本当の隠れ里は、グアム島にある横井さんの洞窟だったり、ルバング島にある小野田さんの...
江戸後期

江戸時代の官報掲示板

法令など政府からの情報発信は「官報」の発行により行われている。今の時代、ネット配信が当たり前に思えるが、国立印刷局などの掲示板にもアナログ掲示されるそうだ。官報の創刊は明治16年で、その前には東京日日新聞に政府の公式発表を掲載する欄があった...