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戦前戦中

蚊取線香ゆかりの神社

この夏も蚊取線香にはずいぶんお世話になった。最近はピレスロイドではなく天然除虫菊で作った蚊取線香も多く出回っている。体に優しいイメージがあるからだろう。尾道市向島町兼吉の亀森八幡神社の境内に「除蟲菊神社」がある。 昭和五年の創建で上山栄一郎...
源平

高倉上皇の嘆息

安徳天皇に譲位した高倉上皇は,ひと月後の治承四年三月に厳島行幸に出発する。『高倉院厳島御幸記』によると,往路は「備前の国こじまのとまりに着かせたまふ。御所つくりたり」と三月二十三日に,復路は「備前の国うちうみとほらせ給ふ。日いりかたにこじま...
江戸後期

根室の小島の存在感

根室港にある弁天島は天然の防波堤である。さらに島の両端には人工の防波堤が付け加えられ,漁船をオホーツクの荒波から防いでいる。数年前に「根室さんま祭り」で無料提供のサンマ2匹を炭火焼きでいただいた思い出がある。この近海は日本有数の漁場なのだ。...
江戸前期

変わり兜のゆるキャラ

今年は津市にとって「藤堂高虎公入府400年記念」の年に当たり,各種のイベントが実施されている。「シロモチくん」という三段重ねのお餅が兜を被っているキャラクターは,ゆるキャラとして人気があるようだ。ゆるキャラは一見理解を超えているようで,必ず...
安土桃山

安土宗論の記憶

安土・浄厳院の秋季法要では,毎年「かちどき念仏」が奉納されている。今年は10月11日14時からという。勝ったのは天正七年五月二十七日,打ち負かした相手は日蓮宗。世に言う「安土問答」である。滋賀県蒲生郡安土町大字慈恩寺に浄土宗の金勝山浄厳院が...
平安

弘法が与えた名水

弘法大師と水にまつわる伝説は各地に伝わっている。水に苦労する村に来た大師が杖を地面に突き立てると,たちまちそこから水が湧いた。また,大師に水を与えるのを惜しんだ村では水が涸れてしまった。たつの市新宮町芝田に「輪袈裟の清水」がある。昔,旱魃の...
安土桃山

失われた蛸石の兄弟

大阪城の石垣と堀の大きさは,そのまま権力の大きさである。中でも第一の巨石とされているのが「蛸石」(たこいし)だ。36畳敷で130tと言われている。この巨石がある桜門枡形は,寛永元年に岡山藩主・池田忠雄が担当したもので,備前産の良質花崗岩が用...
平安

いぼ神様になった巨勢金岡

巨勢金岡といえば,大和絵の様式を確立した平安時代の絵師である。その金岡が「いぼ神様」となって信仰されているというから不思議だ。岡山市西大寺上1丁目の小学校と中学校の間に「巨勢金岡の墓」がある。晩年をこの地で過ごしたと伝えられ,墓の右手に「筆...
南北朝

忠臣高徳の甥の活躍

『太平記』での児島高徳の忠義ぶりはずいぶんと称賛されてきたが,南朝方で活躍した備前の武士は他にも多い。岡山市西大寺松崎に「松崎彦四郎範家候墓所」がある。JR赤穂線に沿って斜面を登ると,その後裔の宅跡だという場所に五輪塔が建立されている。範家...
平安

平安の首都移転候補地

現代の首都移転は一向に進む気配がないが,平安時代にも頓挫した遷都の動きがあった。遷都騒動で有名なのは,治承四年(1180年)の平清盛の福原遷都。この時,手狭な場所ではなく摂津国昆陽野(伊丹市)か播磨国印南野(加古川市)にすべきでは,との意見...