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古墳

第二の高松塚

高松塚古墳といえば,かつては古代ロマンの象徴的存在であったが,今や文化財保護の代表的な失敗例となってしまった。切手にもなったあの美しい壁画は二度と見ることができない。形あるものすべて壊れる,と達観してしまえばよいのだろうが,何とも惜しい気が...
江戸前期

栄枯盛衰を物語る寺院

衰微した寺院を復興させるのは並大抵のことではない。藩政期なら大名の豊富な資金力による公的な支援があった。しかし,明治期の国家神道,戦後の政教分離によって,寺院は独り立ちを余儀なくされてきた。広大な伽藍を失った名刹も少なくない。仙台市青葉区北...
弥生以前

津雲貝塚の味覚

岡山の郷土料理ばら寿司の具材として欠かせないのがモガイ。一般的にはサルボウが和名である。これらの貝の仲間が寿司ネタで有名なアカガイだが,岡山ではサルボウが「赤貝」として売られているからややこしい。笠岡市西大島字津雲に「津雲貝塚」がある。縄文...
江戸後期

密貿易の英雄

日本の周囲には鉄のカーテンも鎖も何もない。ただ海が広がっているだけだ。その海は「唐,阿蘭陀迄境なしの水路也」(林子平「海国兵談」)である。入って来られやすいが出ても行きやすい。鎖国の江戸時代,外国船侵入事件は幾つもあるが密貿易の事件は薩摩藩...
特集

17=9+9で縁起よし(中国その二)

9という数字は縁起がよい。中国の話だ。極陽数,つまり一桁の奇数のうち最大であることから,皇帝から民衆まで皆が愛した数字なのだ。今日紹介する橋も,9にまつわる名称が付けられている。中華人民共和国北京市海淀区新建宮門路にある頤和園に「十七孔橋」...
特集

頤和園の銅牛が見た歴史(中国その一)

水を治めるものは天下を制する。古来,治水は帝王の条件である。河は暴れる龍に喩えられた。それを如何に御し如何に利するか,人々は神に祈り知恵を出してきた。中華人民共和国北京市海淀区新建宮門路にある頤和園に「銅牛」が跪いている。頤和園は西太后が愛...
明治

青江うなぎ発祥の地

うなぎのおいしい季節である。最近は中国産や台湾産も頑張っているようだが,やはり国産のうなぎにはかなわない。天然モノならなおさら美味しいらしいが,私には縁がない。今日は,天然うなぎの中でも絶品と呼ばれる「青江のアオ」青うなぎゆかりの地を訪ねた...
江戸前期

政宗の夢とアカプルコ

どれくらい眠ったかしら 機内のアナウンスは 陽気なスパニッシュ(Holiday in Acapulco)まさに,憧れのアカプルコであるが,今から400年前の船旅でもよく眠れたのだろうか。その海の名は太平洋である。出帆から3ヶ月を経て1614...
源平

日蝕との遭遇

昨日はよく空を見上げたものだ。これほど雲が邪魔に思えたことはなかった。日の丸と呼ばれるように太陽は丸い。当たり前としか思えないことが,当たり前でなくなるのだから,期待が高まるのも当然だ。しかし,今日は一転,空を見上げる気にもならないくらいの...
江戸前期

最も勝れ最も堅固なる城

歴女の間で独眼龍政宗は大層な人気である。渡辺謙や松田龍平など,大河ドラマで演じられるたびに好感度が増している。天下を狙わんとする気概,機に応じた振る舞いと美しい装いを知る伊達者振り,人気俳優のイメージと重なって今や戦国第一の英雄である。仙台...