gyokuzan

戦後

水枕の中で荒れる海

一茶には「朝からだるう」見えたという夏の雲。おそらく朝からムシムシしていたのだろう。ひと雨降らして涼しくしてくれ、と頼むような気持ちだったかもしれない。今はまだ6月だから気温はそれほどでもないが、マスク内の湿度は100%超で結露して困ってい...
江戸前期

あれこそ日本に名をなせし

美魔女と呼ばれる人がいる。美しい女性なら「美女」でよさそうなものだが、「魔」の字には「この歳なのに…」という驚きが込められているのだろう。賭けマージャン検事長処分問題で首相官邸と法務省の板挟みになって苦しんだ森法相も美魔女と呼ばれている。美...
戦国

有元氏が威を振るった城館

「有元さん」は岡山県北の美作東部ではよく見かける名字で、多くの方が各方面で活躍していらっしゃる。かつてこの地域には、菅原道真の子孫と称する美作菅家党という武士団がいた。有元、広戸、福光、植月、原田、鷹取、江見の7氏は菅家七党と呼ばれ、有元氏...
弥生以前

岡山考古学の記念碑的遺跡

弥生時代研究史の金字塔である登呂遺跡。歴史の真実を知るために多くの学生や市民が参加して、歴史の民主化ともいえる発掘調査が行われた。遺跡のシンボルとなるあの復元住居が作られたのが昭和26年のことである。竪穴式住居に水田耕作という弥生時代の教科...
江戸前期

ここは津山を二里、離れて遠き岡山の

パンデミック後の世界を誰もが思い描けないでいる。気温が上がれば収束するとの楽観視は見事に外れ、集団免疫を獲得すれば感染拡大しないとの学説は賛否両論ある。スウェーデン人は免疫獲得に失敗したとされるし、日本人は成功したとの主張もある。世界的な収...
江戸後期

かけまくもかしこき那岐山

鳥取と岡山の県境に那岐山(なぎさん)という雄大な山がある。岡山県側のふもとには奈義町(なぎちょう)があり、鳥取県側のふもとには那岐駅(なぎえき)がある。奈義町には名木ノ城(なぎのじょう)という山城もある。このあたりにはたくさんの「なぎ」があ...
戦後

往来を見つめる峠の二本杉

杉フレーバーの樽酒はちょっとした贅沢だ。吟醸香ももちろんよいが、たまには杉の香を、清楚な杉の材色や静寂な杉木立を思い浮かべながら楽しみたいものだ。よく見かける菊正宗の樽酒は吉野杉だそうだ。奥吉野の玉置神社には樹齢3000年という「神代杉」が...
江戸後期

風がもたらす厄災と豊穣

昨秋の台風19号で「広戸風」が発生し、法然上人ゆかりの大イチョウの枝が折れてしまった。10月12日午後2時37分に、岡山県奈義町では最大瞬間風速33・5メートルを観測している。以前に四国中央市の「やまじ風」を紹介したことがあるが、これと並び...
江戸後期

架かる橋のありがたさ

なくてはならないのに、ふだんそのありがたみに気付いていないもの。例えば、橋。目の前に向こう岸が見えても、橋なくして渡ることができない。人が飛び越えられるほどの幅であっても、車なら無理だ。交通の歴史は橋の歴史と呼んで過言はない。橋のない川に橋...
明治

養蚕業の普及功労者

皇后さまは今月11日、皇居内の紅葉山御養蚕所で「御養蚕始の儀」に臨まれた。蚕の品種は純国産種の「小石丸」である。高級だが生産性が低いため、御養蚕所の他にはあまり飼育されていないそうだ。本日はかつて日本の主要産業であった養蚕業の普及についての...