江戸前期

西軍武将二人の明暗

主従関係において奉公の対価として与えられるのは、土地であり金銭であり、姓氏であった。土地は古代から近世にかけて、金銭は古今変わらず授けられてきた魅力ある報酬である。姓氏はどうだろうか。与えられたのは羽柴、豊臣、松平という名乗りである。池田輝...
江戸前期

破壊された軍事施設

トランプ大統領の功績は米朝首脳会談を実現させたことだろう。思えば2018年は希望の年であった。4月27日に板門店での南北首脳会談に続き、6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催された。この間の5月24日、北朝鮮は豊渓里(プンゲリ)核実験...
鎌倉

源頼朝が再建したという舞台造

大河『鎌倉殿の13人』で大泉洋さん演じる源頼朝が好評だ。冷徹なようでビビりな性格が前面に出て、顔まであの肖像画に見えてくる。ゆかりの地は東日本ばかりで西日本は関係ないのかと思ったら、そうでもないらしい。鳥取県八頭郡若桜町岩屋堂に国指定重要文...
室町

美しき宝篋印塔

ブログ開設以来の総アクセス数が75万を突破しました。これもひとえに皆様のおかげと感謝し、今後の精進をお約束いたします。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。日本史上(?)もっとも有名な石碑、高句麗好太王碑は、古い写真では野ざらしだが今は...
安土桃山

進退窮まった武将の最期

十年以上前のことである。リビアのカダフィ大佐が血まみれになって拘束される映像とともに、その死亡が報道された。国連演説で国連憲章を放り投げたとか、セントラルパークにテントを設営しようとして拒否されたとか、エピソードが懐かしい。結局テントが建て...
江戸中期

数の圧力で妥協を引き出す

ウクライナ国境に10万のロシア兵が集結し、もはや侵攻前夜だと言われている。バイデン米大統領は強い制裁を示唆してロシアを牽制し、マクロン仏大統領とショルツ独首相はロシアと直接対話して戦争を回避しようとしている。マクロン氏はプーチン露大統領がウ...
戦前戦中

おれはこれから日名倉の木戸へ行く

遅刻すると人の信用を失いかねないが、勝負には勝てるのかもしれない。宮本武蔵の教訓である。生死を分ける闘いなのだから、手段を選ぶ必要はないのだろう。それでもやはり、いざという時にこそ遅刻はしないほうがよい。美作市後山に「宮本武蔵 山牢跡」があ...
飛鳥

旧作東町の古代ランドマーク二題

私が物心ついた頃に日本一の高層ビルはサンシャイン60だった。エレベーターの階数表示がどんどん変わるに驚いた。このビルを東京都庁が抜くとさっそく登り、無料に懐の深さを感じた。都庁を抜いたのは横浜ランドマークタワーだったが、見上げたのみだ。これ...
南北朝

後醍醐伝説が生じた背景

今回の大河は戦国でも幕末でもなく鎌倉初期である。ドロドロした歴史がどのように描かれるのか楽しみだ。ドラマは大どんでん返しが描かれると盛り上がるが、それなら『太平記』に勝るものはないだろう。主上御謀反が失敗に終わり後醍醐帝は隠岐へと流されるも...
古墳

温羅がつぶやく「アオハカかよ。」

「青陵」という名称の学校はけっこうある。青春だとか丘陵だとか、どことなく爽やかなイメージと語感があるからだろう。ところが、申し訳ない。本日は同じ「青陵」なのだが、お墓の話をすることとしよう。岡山市北区谷万成二丁目の青陵神社に「青陵古墳」があ...