鎌倉

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ピンチをチャンスに変えた高僧

流人にも興味があって、佐渡島や八丈島に行ったことがある。観光客として訪れているので、飲み食いしての物見遊山だったが、さすがに行くまでに時間がかかり、遥々来ぬる旅をしぞ思ったものだ。社会との隔絶は流刑執行のねらいであり、交通も通信も閉ざされた...
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有事に備えた得宗専制

旅をしていると「最明(さいみょう)寺」という寺院に出会うことがある。多くの場合、鎌倉幕府第5代執権の北条時頼が登場する伝説を伴っている。先日も岡山市にある最明院を紹介した。時頼が出家して最明寺殿と呼ばれたことに関係している。姫路市野里大日町...
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天下の副元帥がやってきた

人生楽ありゃ苦もあるさ、と水戸黄門一行が全国を行脚しながら勧善懲悪を行う。国民的な人気の物語であるが、史実とはかけ離れている。史実に基づかなくとも面白いものは面白いのだ。黄門さまからさらに時代を何百年かさかのぼって鎌倉時代を背景とした似たよ...
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重源上人温泉物語

温泉に入ると、日本に生まれてよかったとしみじみするものだ。なぜ心地よいのか。まずは広いこと。手足を伸ばすと浮力を感じることができる。次に泉質が豊かなこと。特に硫黄泉やアルカリ泉などは別世界が楽しめる。そして時の流れが異なること。実際には異な...
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京都まで三歩で歩いた巨人

巨人伝説は日本各地にある。有名なのはダイダラボッチだ。各地で呼び名が若干異なっている。巨人だけにその姿を再現するのは困難だろうと思ったら、あった。水戸市塩崎町の大串貝塚ふれあい公園に「ダイダラボウ像」(15.25m)がある。『常陸国風土記』...
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マイナスイオンを発する蛇の滝

「マイナスイオン」が流行った時期があった。家電製品の宣伝でよく聞いた。人工的なのよりも、やはり自然。森林や滝でマイナスイオンを浴びようというのもあった。言葉とイメージが先行する形でブームになったものの、科学的には説明が苦しいようだ。マイナス...
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ナムアミドーヤの念仏踊

「宗教」は思索のみでは成立しない。感情の高まりが重要な要素であることを鑑みれば、「音楽」は不可欠なものだといえよう。音楽を聞けば自然に身体が動いてくる。その身体の動きは「踊り」と呼べばいいだろう。踊りによって私たちは神と一体となり、その折の...
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過去には天然痘、未来には…

1980年にWHOが天然痘の根絶を宣言したことは、新聞のトップ記事だったと記憶している。一つの歴史が終わったんだなと感慨深く思ったものだ。つらつら古きをたづぬるに、本朝では藤原四兄弟、遠く異朝をとぶらへばルイ15世など、天然痘で命を落とした...
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『好色一代男』屈指の名場面

謡曲「江口」では、江口の君は最後に普賢菩薩となり、白象に乗って消え去っていくという。遊女としての罪業を自覚し、真摯な思いで仏に救いを求めたからこそ、成仏できたのであろう。罪深いといえば遊女以上に男どもに問題があると思われるが、罪業を自覚しな...
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馬子のいない太子なんて

聖徳太子はいなかったと論じる向きがあるが、蘇我馬子がいたのは確かだろう。ならば、太子の業績とされていたのは馬子の事績ということになる。馬子にも衣装というが、どのような衣装を身に付けていたのだろうか。意味不明な話になってきたので、本論に入りた...