鎌倉

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手で磨かれた石仏

北海高校が敗れ、北海道の短い夏が終わった。試合が終わって外出すると、蝉の声さえしない。どうやら岡山も、夏が去りゆくらしい。草むらでは、コオロギが鳴いていた。ただ、焼けつく陽射しだけが夏の存在証明である。今日は、秋の散策におススメの、庶民に親...
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こは何事のあらそひぞや

パリにブリュッセル、イスタンブール、そしてダッカで起きたテロ、これらの出来事に何の違いがあろうか。いずれも非道で許しがたい行為だ。パリ同時多発テロではFacebookのアイコンをトリコロールに変えることが流行ったが、ダッカテロの追悼の動きが...
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雨となった虎の涙

日本三大仇討ちとは、忠臣蔵、伊賀越、そして曽我兄弟である。うち最も古いのは曽我兄弟で、建久四年(1193)5月28日の出来事である。曽我十郎祐成(すけなり)と五郎時致(ときむね)の兄弟は、父の仇である工藤祐経(すけつね)を討ち果たした。兄弟...
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試論・日本入浴史

お風呂はささやかながら毎日の楽しみである。「やれやれ」の発声とともに、心身がお湯の中で解き放たれていく。首まで浸からないと一日が終わらない。日本人はお風呂好きだが、誰もが家で毎晩入浴するようになったのは、歴史の中では比較的新しい習慣である。...
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お茶を飲んで800年

お茶に金出すのかよ。その昔、ジュースやコーラと並んで自販機のお茶が置かれた頃には、そう突き放していたものだ。それが今じゃどうだ。自販機で買うのはもっぱら、お茶である。何リットルものお茶がこの夏もまた、私の体を潤してくれるだろう。岡山市北区吉...
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承久の乱に反対した賢王

いい人の定義は難しくて、「彼、いい人よ」と言われても、本当に良いのか、どうでもいいのか分からない。なるべくなら、感じのいい人でありたいものだが、しぐさや会話で御里が知れてしまうのがオチだ。さて本題に入ろう。土御門上皇は、とてもいい人だったの...
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親鸞聖人の国土緑化

親鸞の『教行信証』は知っていたが、どこで書かれたのかまでは考えたことがなかった。『教行信証』には国宝に指定されている親鸞真筆の「坂東本」がある。かつて坂東報恩寺(台東区東上野六丁目)が所蔵していたから、そう呼ばれるが、実際にその名のとおり、...
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逆賊将門の名誉回復

左遷された菅原道真は、死後20年を経て右大臣に復されるとともに正二位を追贈され、名誉が回復された。西南戦争で決起した西郷隆盛は朝敵となったが、12年後の大日本帝国憲法発布に伴って正三位を追贈され、汚名が雪がれた。では、逆賊とされた平将門の場...
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港町神戸の大恩人

大河ドラマは昨年が新島八重、今年が黒田官兵衛、来年は吉田松陰の妹(杉文、楫取美和子)、再来年は真田幸村と、幕末と安土桃山の王道を交互に突っ走っている。あえて言うが、二つの王道は著名人物が多く登場し、歴史で記憶した事件が再現されるので、視聴者...
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南無阿弥陀仏になりはてぬ

時宗、一遍といえば「踊念仏」、どんな踊りなのか気になっていたところ、東京に滞在していた10年前に総本山遊行寺で「踊念仏」を観る機会を得た。既にレポートしているのでご覧いただきたい。昨年8月10日、松山市道後湯月町の宝厳(ほうごん)寺が全焼し...