江戸前期

江戸前期

美作に消えた天皇家

昭和史研究の第一人者として知られる保阪正康氏の著書に『十九人の自称天皇』がある。熊沢天皇、外村天皇、佐藤天皇、竹山天皇、三浦天皇など、戦後たくさんの自称天皇が出現したという。その多くは南朝の末裔だと称したが、確かに、後南朝の歴史はほとんど闇...
江戸前期

本土最古の石造アーチ橋

「二重橋」とは、よくテレビで見る皇居前の石橋のことかと思ったら、違っていた。正しくは、石橋の奥にある鉄橋を指すそうだ。では、あの二連アーチの石橋は何と呼ぶのか。正式には「正門石橋」で俗称は「眼鏡橋」である。なんだ、そうだったのか。眼鏡橋なら...
江戸前期

松となって睨み合う二人の武士

政治は守旧派と改革派の対立と見ることができる。かつては古い世代を支持基盤とする自民党が戦前からの価値観を引き継ぐ守旧派であり、若い世代が支持する革新政党が平和と個人を尊重する改革派だった。ところが、近年は若い世代がアベ政治を支持し、批判する...
江戸前期

宇那提の森はどこか

のぼり棒は得意だったが、うんていは苦手だった。「うんてい」はなぜそうに呼ばれるのか、嫌いな遊具だったので考えたこともなかったが、地面に足が届く大人になり、「雲梯」と書くことを知って納得した。「雲のはしご」なのだ。なんと素敵な遊具だろうか。雲...
江戸前期

世界最古の閘門式運河!?

通ったことはないが、パナマ運河は便利だ。地球儀を見て、つくづくそう思う。ただし通航料が3000万円くらいかかるのだという。ご存じのように、水位を調整しながらゆっくりと進む閘門式運河である。ひと手間もふた手間もかかるが、世界最大のショートカッ...
江戸前期

俳句が芸術になった場所

絶えで魚荷(うおに)とぶや渚の桜鯛桜鯛が飛ぶように売れてるがな。さすがは春や。これは井原西鶴の句で、在原業平の絶唱「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」を本歌としている。桜をしみじみと愛でているのではなく、鯛の美味い季節だか...
江戸前期

拙者、不器用ですから

福岡市博物館で大人気なのはもちろん「金印」だが、「日本号」という大きな槍もおすすめしたい。酒は呑め呑め~の黒田節で知られる母里太兵衛が、福島正則から勝ち取ったものである。その勝負とは…。福島「母里、お前も呑めや」母里「ありがたき御言葉ではご...
江戸前期

城が見えます波の上

「讃州さぬきは高松さまの城が見えます波の上」と謡われる高松城は、日本三大水城の一つ(残り二つは伊予今治城、豊前中津城)とされる。堀には海水が引き込まれ、鯛が泳いでいるという豪華さだ。高松市玉藻町に国指定重文の「高松城 旧東之丸艮(うしとら)...
江戸前期

家康公のお母さんの実家

「ふる石や 瓦飛び込む 水のうち」水野忠邦は天保の改革の失敗により老中を罷免された際に、民衆から石や瓦を屋敷に投げ込まれた。「水の出て もとの田沼に なりにける」水野忠成(ただあきら)は老中として大御所家斉のもと、田沼時代に劣らない金権腐敗...
江戸前期

あの鐘を鳴らすのは機械

田舎あるあるの一つに、時報メロディがある。朝7時や夕方5時に郷愁を誘うような音楽が流れる。早朝ウォーキングや畑仕事をしていても、「おお、そんな時間か」と気付かせてくれる。市街地にはないと思っていたら、思い出した。岡山県庁では平成28年8月ま...