江戸前期

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今も慕われている改易大名

毎年8月15日に黒坂納涼まつりが鳥取県日野郡日野町黒坂で行われている。この時期になると、赤地に黄色の家紋を染め抜いたのぼりが城跡や城下町に彩りを添える。家紋には羽を立ててとまる美しい蝶が描かれており、「撫角揚羽(なかくあげは)」と呼ぶそうだ...
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備作国境を守った藩家老

ブログ開設以来の総アクセス数が55万を突破しました。これもひとえに皆様のおかげと心より感謝し、有益な情報が提供できるよう一層精進いたします。今後とも、どうかよろしくお願いいたします。知っている人には当たり前だが、知らなければ手に負えないのが...
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歴史を創作した男の創作

武田騎馬軍団と対峙する信長は、兵に鉄砲三千丁を持たせ、次のように下知したという。敵馬を入れ来らば、間一町までも鉄砲打たすな。間近く引受け、千挺づゝ放ちかけ、一段づゝ立替り/\打たすべし。いわゆる三段撃ちの新戦法である。これぞ信長の革新性を象...
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津山藩祖を悩ませた家族のこと

家族の安定は心の安らぎである。とはいえ不幸は、自らの努力とは関係なく訪れる。初代津山藩主で津山城を築いた森忠政ほど家族に恵まれなかった大名はいない。忠政は森可成の六男で元亀元年(1570)生まれ。同じ年に父が討死し、長兄可隆もすでに討死して...
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小童っぱに過ぎたるもの

城の美しさは天守ではなく、石垣にあると聞いた。近世城郭の端正で凛としたイメージは、石垣の印象によるのだろう。本日紹介する米子城は石垣の美に加え、眺望も抜群の秀麗な城である。米子は「殿様のいない城下町」だという。この城を預かったのは一国一城の...
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吉田松陰を裁いたお奉行さま

「仮定の質問にはお答えできません。」という逃げ口上を政治家の記者会見でよく耳にするが、「現時点で、もし我が国の原発が弾道ミサイルで攻撃を受けたらどう対処するのですか?」に答えられないようでは、国民の安全を保障する政府として失格だろう。「もし...
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祝・三原浅野氏入城400年!

ある調査によれば広島県民に一番人気がある武将は、毛利元就だそうだ。関ヶ原後の毛利氏は今の山口県に移り、替わって大名となるのは福島正則であり、幕末まで続いた浅野氏である。浅野氏の支配の長さに比べれば、元就の時代は短い。それでも元就の人気が高い...
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信長公に認められず命拾い

岡山県でいま人気のある大名は誰だろうか。備前岡山では宇喜多秀家。戦国の貴公子と呼ばれ、イベントが開かれている。備中高梁では山田方谷。主君よりも家臣が人気で、大河ドラマ化の署名が100万人に達したそうだ。作州津山では藩祖森忠政だろう。他地域に...
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人柱を選ぶ理不尽な方法

いま我が国最大の難工事と予想されているのが、リニア中央新幹線の南アルプストンネルである。延長約25km、地表からの深さは最大約1400mという想像を超える規模だ。しかも、工事中の大量出水により大井川の水量が確保できなくなるのでは、と強い懸念...
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失われた一里塚のエノキ

映画のシーンさながらに、首里城が火災で失われた。沖縄文化の象徴ともいえる貴重な建造物だっただけに、県民のみなさんの喪失感は大きいだろう。平和となった戦後にも、金閣寺や松前城天守など、貴重な文化財が火災で失われている。今年4月にはフランスでノ...