江戸中期

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摂州皿屋敷

いちま~い,にま~い…井戸から皿を数える声が聞こえる。皿を失くしたことで責め殺され,井戸に沈められたお菊の声だ。ご存知,播州皿屋敷とか番町皿屋敷とか呼ばれる幽霊話である。暑くなるのがやや遅めの今年だが,涼を誘うことで暑さも呼び込むことにしよ...
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大自治体・尼崎4万石

幕藩体制において譜代大名は要地に配される,と学習した記憶があるが,尼崎藩はその典型だろう。大坂に隣接するこの地は経済的にも軍事的にも要となるため,城持ちの譜代大名が入封した。戸田氏,青山氏を経て,松平氏の治世は160年間続いた。松平と名乗る...
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どっこいさん

面白いネーミングだ。どっこいしょと腰掛けて眺めてみた。ビール瓶6本かと思えば,顔が刻まれている。これは六地蔵なのだ。素朴な石仏は各地におわすが,これはとりわけのほほんとしている。三木市志染町窟屋に「どっこいさん」がある。横穴式円墳の天井か蓋...
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国防の先人

時代遅れの人は珍しくもないが,時代より先に進んだ人は歴史に名を残す。時代に先んじていることは後世の人が判断するのであって,その名誉を存命中に享受することはできない。仙台市青葉区子平町の金台山龍雲院に「林子平墓」があり国指定の史跡となっている...
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火消し地蔵

備中玉島の地蔵が江戸の火事を消したという。だから伝説はおもしろい。まったくの架空の物語ならイマジネーションがすべてである。しかし,伝説には痕跡がある。目の前に縁の物があるだけにリアリティがある。それが語り伝えられたという現実がある。倉敷市玉...
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玉島の良寛さん

親死子死孫死,冒頭から縁起でもないのだが,これは目出度い言葉である。順番通りにこの世を去ることが幸せなことであり,その逆ほど不幸なことはない。私はこれを良寛和尚の言葉だと思っていたが,一休和尚あるいは仙厓和尚の言葉らしい。どの方も逸話の多い...
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和泉伯太藩ここにあり

名族の流れを汲むことは武家の誇りであり,祖先の名を汚さないことが行動規範であった。事実かどうかは別として,誇らしい系図が作成され,その内容が信じられてきた。和泉市伯太町4丁目に「伯太營址碑」がある。付近に「旧伯太藩武家屋敷」もある。伯太(は...
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神様になった大名

神社の祭神は記紀神話の登場人物の場合が多い。天下統一の三英傑も神となっている。近代においては軍神が崇められた。今日紹介するのは藩祖を祀る神社である。高槻市野見町の野見神社の境内社として「永井神社」がある。この地は高槻城三の丸北郭にあたり,高...
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能勢妙見へと続く信仰の道

能勢の妙見さんへは能勢電鉄,ケーブルカー,リフトと乗り継いでやっとたどり着く。今でも多くの人で賑わっているが,妙見参りは江戸時代中頃からさかんになってきたようだ。昔は当然ながら歩いて登っていた。大阪府豊能郡豊能町吉川に「吉川旧妙見山参道鳥居...
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「池田義民さん」という歌

享保17年,西日本に甚大な被害をもたらした大飢饉が発生する。高松藩領の大内郡落合・松崎の両村でも連年の水害で困窮を極めていた。これを見かねた庄屋の池田彦七は,妻子と別れ単身で藩に年貢減免を直訴する。東かがわ市落合に池田神社があり,その境内に...