明治

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元始、女性は実に太陽であった

「元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった」と平塚らいてうが高らかに謳った『青鞜』の発刊は、日本女性史の画期をなす出来事だが、その現場はあまり知られていない。文京区千駄木五丁目のNTT駒込第一ビルは「『青鞜社』発祥の地」である。それを...
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時を越えた愛の絆

豊臣秀吉死後の混乱の中で、五大老の地位から近世大名として存続できなかったのは宇喜多家のみである。時流を読み誤ったのか運が悪かったのか。うまくすれば近代華族となっていたかもしれない。板橋区板橋四丁目の東光寺の境内に「宇喜多秀家の墓」がある。ま...
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横綱の歴代を定めた男

第何代と連綿と続いてきたものに興味が湧く。どうも代々の名前と期間が気になってしかたがない。誰が何という地位にいつ就いていたか、それを記録するのが、歴史叙述の基本だからだ。品川区上大崎一丁目の宝運山摂現院光取寺(浄土宗)に「横綱力士陣幕久五郎...
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池田侯爵のお庭

岡山市に池田動物園がある。岡山で池田といえば殿様である。名君として知られる池田光政を3代目として、16代目の当主が開園した個人経営の動物園である。岡山市の子どもなら一度は行ったことのあるプレイスポットである。品川区東五反田五丁目に「品川区立...
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プリンスの邸宅

高輪プリンスホテルから品川駅へ降りる坂道(さくら坂)は、桜や新緑の季節には泣けるくらい美しい。温かい緩やかな風にのって宙に舞った薄紅色の一片が濃紺スーツの袖に付く。葉桜になると木漏れ日がアスファルトで穏やかに揺れている。袖に付いた花びらを払...
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汽笛一声新橋を

「汽笛一声新橋を」と口ずさんで、そこで止まってしまった。この有名な歌い出しから新橋が鉄道の起点だったと知ってはいたが、歌詞の続きが分からない。調べてみると「はや我汽車は離れたり 愛宕の山に入りのこる 月を旅路の友として」というそうだ。港区東...
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祝・横浜赤レンガ倉庫100周年

都市の魅力は歴史が生かされていることだ。初めて東京駅に降り立ったときに思ったのだが、横浜を訪れてさらに思いを強くした。歴史こそ都市の魅力だと。自分で写した下の写真を見て、サンクトペテルブルグかと思った。サンクトペテルブルグなんて行ったことも...
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創られた陪塚

大きな古墳には陪塚(陪冢)という小さな古墳が付属していることがある。首長と臣下のような関係だろうか。あるいは家族だろうか。死後も近くにいさせてあげたいというのは古今変わらぬ人の情である。宇治市菟道に「宇治墓陪冢」がある。周囲は道路、鉄道、住...
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創られた陵墓

今でも権力の座をめぐって様々な駆け引きがあるくらいだから、大昔の皇位争奪戦はどれほど激しかったことか。それだからこそ、皇位を譲り合うことは美談として語り伝えられるのだ。宇治市莵道に「応神天皇皇子莵道稚郎子尊宇治墓」がある。陵墓にふさわしく清...
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真に美しい橋

橋には様々なデザインがあり、通行の便宜を図るだけでなく景観を生み出す役割もある。我が家の近くの橋は2車線の対面通行であったが、交通量の増加に伴いもう1本平行して架橋され、上下線が分離された。面白いのは橋の形状で、古い方にはアーチがあるが新し...