明治

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革命無罪の犠牲者

秩父事件は暴動だったのか革命運動だったのか。コップだって真上から見れば円形だが真横から見れば台形だ。同じものを見ても違って見えるのは当然だ。秩父事件から120年を記念して『草の乱』という映画が公開されたのは2004年。事件はロマンをもって語...
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草の乱の舞台

「秩父困民党」なら歴史で習ったとたんにおぼえた。事件の詳細は知らずとも字面だけで、困ったんだなあ、とよく伝わってくる。秩父は遠く、行く機会をつかめていなかったが、秩父事件の映画『草の乱』の公開(平成16年9月)に刺激を受け現地を訪れた。秩父...
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美しい明治の鉄道橋

古代ローマの水道橋はその技術の高さを示す例として歴史の教科書に掲載されている。私はこの日の夕刻、碓氷峠から自転車でつづら折りの道を降っていたのだが、突然現れた水道橋にびっくりした。いや、水道橋ではなく鉄道橋だったのだが、見た瞬間に思い出した...
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津波がさらっていった文化財

津波が何ものをも容赦しないことは、このたび心底から思い知らされた。分かっているつもりだったのだが、かつて訪れた史跡が失われたと知って、遅まきながら現実のものと実感した。北茨城市大津町五浦に「六角堂」があった。3月13日の毎日新聞の東京朝刊で...
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関東大震災のトモダチ作戦

このたびの震災では米軍がずいぶんと助けてくれた。「トモダチ作戦」とはいい命名だ、さすが、アメリカは日本のことを友達と思ってくれているんだな。そう思っていたら、作戦名は日本政府が名付けたものと知って、少なからず落胆した。しかし、歴史は紐解いて...
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県庁所在地としての誇り

県庁所在地は小学生でも知っている。語呂合わせでの覚え方もあるようだ。他の都市がどんなに町おこしをしようとも、知る知らないのレベルでは県庁所在地にはかなわない。首都の移転ではたくさんの自薦があったくらいだから、県庁があったならと思っている都市...
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条約灯台の気品

端っこが好きなので最南端と聞くとついつい行ってしまう。日本の最南端の沖ノ鳥島には行けないが、ここなら行ける。千葉県安房郡白浜町白浜(現南房総市白浜町白浜)に「房総半島最南端の地」の碑が建てられている。以前に千葉県最東端の犬吠埼、最西端の洲崎...
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白鳥はかなしからずや

どの学年のことだったか、国語の教科書で「白鳥は哀しからずや…」の歌を習った。この作品は勝れて叙景的であると同時に、孤独な自分を投影できる叙情的な秀歌である。すぐに憶えて何度も口ずさんでみた。どこが舞台なのかと思ったらここだった。千葉県安房郡...
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まてど暮らせど来ぬ人を

今年は大正百年だそうだ。明治百年は国家的に祝祭行事が行われたが今年はあまり聞かない。明治維新が日本史上の画期であることに異論はないが、今この時に再評価すべきは大正デモクラシーであり大正モダニズムではないだろうか。今日は大正モダニズムの旗手、...
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ここに地終わり海始まる

犬吠埼には行ってみたかった。台風概況でよく耳にした岬だったから。台風の位置を示す起点となっていた。犬吠埼の東南東約230kmなどと。“イヌボーザキ”という語感に地の果てのイメージを重ねて聞いたものだった。銚子市犬吠埼に「犬吠埼灯台」がある。...