明治

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ドイツから輸入した鉄橋

夏は鍾乳洞や坑道跡など地下に涼を求める。鍾乳洞で自然の悠久さに感動するのもよいが、金山、銀山、あるいは銅山跡で人間と産業について考えるのもよかろう。特に銅山は日本の産業革命に大きく寄与した。銅山の歴史は産業技術発達史でもある。地下がいいと書...
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薩軍と戦った人々

自民党の憲法改正案によると「国防軍」が創設されるそうだ。自衛軍だとか自衛隊とか様々に呼んでみるものの、つまりは日本軍なのである。その日本軍の最初の戦いが、日本最後の内戦、西南戦争であった。敵は初代の陸軍大将、西郷隆盛であり、その征討に向かっ...
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夏草や若者たちの夢の跡

古城が草に覆われているのを見ると、兵どもが夢の跡、と口にしてしまう。城主には主君を守り抜く使命感があったかもしれない。覇権を確立する野望があったかもしれない。その思いは決してロマンではなかった。ギリギリの思いで生き抜こうとしていたはずだ。し...
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日本第一の名香を聞く

正倉院の宝物のうち一番気になるのが蘭奢待(らんじゃたい)だ。昨秋の正倉院展に出陳されたそうだが見ていない。いったいどのような香りがするのだろう。展覧会に行ったところで分かるわけがない、と思ったら同じ種類の香木「沈香」を嗅ぐ体験コーナーが設け...
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破壊を免れた日本第2位

五重塔を眺めるとほっとする。何故かは分からない。日本の原風景のように思っているのだろうか。田園の向こうに塔が見えると、いつまでもこの風景が残るようにと祈りに似た気持ちになるものだ。しかし今日の写真は、あまりにも近づきすぎたため無理なアングル...
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宇治と明治大帝

天皇陛下の尊顔を拝したことがある。と言っても、国体の折に来県された両陛下がお車で県庁通りを進まれるのをお見かけしたまでだ。それでも、窓を開けて手を振っていらしたのには感激した。歴代天皇で最も行動範囲が広いのは今上陛下であろう。交通機関の発達...
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明治帝の大本営となった小学校

明治天皇はつくづく偉大だと思う。日本の近代立憲国家の確立と帝国陸海軍の発展を一身で体現されているからだ。天皇は役者でなくてはならぬ。偉大な君主を演じるのであって尊大であってはならない。臣民が期待する人物、つまりは人格者でなくては務まるまい。...
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革命の号砲

町内にある半鐘は、訓練の際にはゆっくりと、すわ一大事というときには早鐘に鳴らされる。もっとも、このところ幸いにも火災はなく、すっかり消防署まかせになって、半鐘の音を聞いたことがない。それだけに半鐘の乱打なんぞ聞こうものなら腰を抜かすかもしれ...
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最後の志士の義挙

秩父困民党の革命運動はその名の通り、負債に困窮する農民たちが主力だったが、侠気あふれる富裕層がリーダーとして活躍していた。それはあたかも西郷さんが不平士族の不満を一身に背負って立ち上がったように、村人への貸付金を自ら放棄して困民軍を率いた豪...
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秩父コンミューンの始まり

一揆の始まりは神社がふさわしい。神社は地域のシンボルであり、祭礼の折などに民衆のアイデンティティを確かめる場である。一揆の民衆が一味同心を誓う姿は絵になる。傍から眺めるから「絵になる」のであって、当事者の心情はロマンでは語れない。秩父市下吉...