戦後

洞庭湖の水の色をした花

中国に湖北省と湖南省があるが、この省名に登場する「湖」が「洞庭湖」である。見たことはないがその景観はたいそう美しく、「瀟湘八景」として我が国の近江八景など美観ベスト8のモデルとなっている。本日は洞庭湖ゆかりの植物の紹介である。鳥取県東伯郡湯...
幕末

鳥取藩が築いた迎撃システム

軍事施設がいつどの場所にどこを向いて設置されたかに着目すると、我が国を取り巻く当時の状況がよく分かる。太平洋岸に風船爆弾の基地が設置されたのは遥か彼方のアメリカを攻撃するためだったし、イージス・アショアが日本海側に配備されようとしたのは北朝...
鎌倉

中世の紛争解決「下地中分」の現場

ケーキを半分こしようとすると二人の神経戦が始まるが、トラブルを回避するには切る人と選ぶ人を分ければよい。政治学では権力分立、数学ではケーキ分割問題とか言うらしい。とにかく半分こすると言っても、納得のいくようにやらないとトラブルの種になる。ケ...
江戸後期

かつて人力の所為にあらず

「ゆるぎ岩」など絶妙なバランスの不思議な岩が世界各地にある。どのようにしてできたのか時間を縮めて見てみたいものだ。本日紹介の岩は温泉街入口のモニュメントのように佇んでいるが、よく見ると絶妙に重なっている岩である。美作市湯郷に「重ね岩」がある...
平安

祝・ジャコビニ彗星の日50年!

今日10月9日は「ジャコビニ彗星の日」から50年の記念日である。当時のようすを松任谷由実さんの曲で知ることができる。この日は大流星雨が出現するらしいと盛り上がり、人々はこぞって空を見上げた。軌道計算の結果、日本やシベリア上空の出現率が高いと...
南北朝

失われゆく後醍醐伝説

CD-Rにはずいぶんお世話になった。音楽用でけっこうたくさんのお気に入りアルバムを作ったものだ。データ用としてはいったん記録すれば消去できない点が心強い。この光記録メディアが昨年「未来技術遺産」に登録されたという。開発は1988年である。情...
江戸前期

現存する城郭御殿・番外編

お城の象徴である天守でホンモノなのは全国に12あるが、普段使いの御殿で現存するのは4棟のみだという。本丸御殿は高知城、川越城、二の丸御殿が二条城、掛川城である。このうち川越城については「中学生がバレーをした本丸御殿」でレポートした。本日の御...
明治

日時計は淡路の文明開化の象徴

時間は天体の動きによって決まるのかと思ったら、今や原子の振動である。それでもやはり、お日さまの位置とか腹の減り具合とか人間らしい基準は日常的に健在だ。江戸時代には暮れ六つとかざっくりとした不定時法だったが、暮らしに困らなかったのだから、それ...
戦前戦中

ピロティがある現存最古の天守閣

数ある城郭の中でも、私は洲本城を強く推したい。壮大な石垣群に広い曲輪、そして現存最古の模擬天守。野面積みの石垣は野趣に富んで心が安らぐ。車でのアクセスは容易で、散策はちょうどよい運動量になる。天守付近からの眺望は洲本八景の一つに数えられるほ...
明治

主人公の内部から見たその世界

岩野泡鳴(ほうめい)という自然主義の作家がいる。文学史で聞いたことがあるが読んだことはない。どこの人かと思ったら、筆名にヒントがあるそうだ。泡は阿波、鳴は鳴門。徳島藩にルーツを持つ家の出身である。彼の詩碑が徳島藩領だった淡路島にあるので行っ...