神話 笠形山に登りながら考えたこと 「人が右と云えば左、左と云えば右で、何でも人の言う通りにした事がない、――そりゃ強情ですよ」「天探女(あまのじゃく)でしょう。叔父さんはあれが道楽なのよ。」名作『吾輩は猫である』に登場するアマノジャク、ふつうは天邪鬼と書く。その語源とも言わ... 2025.07.03 神話
神話 神功皇后が甲を埋納した山 大切なものを埋納した遺跡がある。有名でしかも謎なのは「銅鐸」である。経典を埋納したのは「経塚」である。生まれた子の成長を願って胎盤を埋納したのが「胞衣塚」である。他にも、土をつき固めた杵を埋納した「杵那築森」や聖武天皇が剃髪した際の髪をや衣... 2025.01.21 神話
神話 地球史と神話に彩られた巨大礫 礫(れき)というのは、小石のことだろう。瓦礫とか砂礫とか、砕けたものをイメージするのが普通だ。ところが、広島県には「巨大礫」があるという。そもそも、巨大な小石という表現そのものが自家撞着であり、正確を期すならば「巨岩」と言うべきだろう。しか... 2024.12.10 神話
神話 虫明の瀬戸に待ち試みむ 知の巨人、柳田国男は『日本の伝説』において伝説を類型化し、生成の背景や変化について指摘した。伝説の魅力は成長の過程にあると言っても過言ではないだろう。岡山県内から3つの伝説地が紹介されている。久米郡大倭村大字南方中の「二つ柳」については「箸... 2024.11.26 神話
神話 後の世に疫気(えやみ)あらば 悪さばかりするスサノオに神々は愛想を尽かし、天上界から追放してしまった。(乃共逐降去、すなはちともにやらひやりき)ちょうど長雨の時季であった。スサノオは青草を編んで蓑笠をつくり、神々に宿を借りたいと乞うた。(而乞宿於衆神、やどをもろかむたち... 2024.01.30 神話
神話 ホムダワケが二歳を迎えた地 男性育休の取得が推奨されている。仕事と子育てが両立できる労働環境を構築することは、少子化日本の喫緊の課題である。これがなかなか難しいのは、身近にロールモデルがいないことにあろう。古代に活躍した神功皇后は、長い遠征中に出産、育児を経験した。夫... 2023.05.03 神話
神話 神功皇后が持ち帰った梅の木 赤ちゃんの誕生を喜ぶ歌はいつの時代も変わらない。万葉のむかしには山上憶良が「銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむに」と子宝を授かった喜びを詠じた。現代なら平松愛理さんの「Dear My Baby」。恋でも愛でもない、駆け引きなしで許せる... 2023.04.04 神話
神話 不老不死の実を探してまいれ キャッシュレス賽銭がじわじわと広がっている。時代に合っているとか参拝の実感がないとか、賛否両論あるようだ。スマホ決済をする人が多くなり、金融機関での小銭の取扱いに余計なお金がかかるようになった昨今、キャッシュレスの利便性の高さに疑いはない。... 2023.02.19 神話
神話 撫づとも尽きぬ巌なるらむ 近江の余呉湖、丹後の磯砂山(いさなごさん)の女池(めいけ)、駿河の三保松原。天女が水浴びをしたのは湖、池、海と様々に伝わっている。この羽衣伝説は日本各地どころか世界中にあるのだそうだ。羽衣を隠して天女の気を引きたかったのかもしれないが、冷静... 2022.12.06 神話
神話 もとの肌のごと、必ず癒えなむものぞ 今まで気が付かなったが「因幡の白うさぎ」は文学として大変優れているという。成功するかに見えて最後に失敗する知恵者、いじめる輩と救いの手を伸べる優しき者、物語の背景にある恋争い、そして神の予言。『古事記』原文の文字数は四百字詰め原稿用紙1枚分... 2022.10.29 神話