江戸前期 鞆幕府があった場所 「鞆幕府」とは室町幕府の亡命政権である。聞き慣れない用語だが、昭和58年に発行された川西利衛『戦国史をななめに斬る 鞆幕府』(福山商工会議所)があるから、目新しい考えではない。確かに「征夷大将軍」足利義昭は鞆にいたが、幕府の体を成していたの... 2022.08.29 江戸前期
江戸前期 かつての王舎城はいま 「鹿野学園王舎城学舎」というから、てっきり仏教系の私立学校かと思ったら鳥取市立の義務教育学校だった。「王舎城」とは、古代マガダ国の首都ラージャグリハの漢訳名で、釈迦説話に登場する。由緒ある地名を校名に採用したのはなぜだろうか。鳥取市鹿野町市... 2022.05.26 江戸前期
江戸前期 一万二千石の陣屋町は今 京都は全国各地に点在し「小京都」と呼ばれている。山陰の小京都と言えば津和野が有名だが、遠い道のりでまだ行ったことがない。今回は人形峠からの急坂で勢いをつけ、同じく「山陰の小京都」倉吉に行ったのでレポートする。「小京都」は古い街並みや風情が醸... 2022.04.21 江戸前期
江戸前期 西軍武将二人の明暗 主従関係において奉公の対価として与えられるのは、土地であり金銭であり、姓氏であった。土地は古代から近世にかけて、金銭は古今変わらず授けられてきた魅力ある報酬である。姓氏はどうだろうか。与えられたのは羽柴、豊臣、松平という名乗りである。池田輝... 2022.02.24 江戸前期
江戸前期 破壊された軍事施設 トランプ大統領の功績は米朝首脳会談を実現させたことだろう。思えば2018年は希望の年であった。4月27日に板門店での南北首脳会談に続き、6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開催された。この間の5月24日、北朝鮮は豊渓里(プンゲリ)核実験... 2022.02.22 江戸前期
江戸前期 旅の空に名月を見た宗匠 SNSもメールも電話もなかった江戸時代に、人々はどのようにして連絡を取り合っていたのだろうか。事前に手紙を送っていたとしても、それぞれに都合や事情があるだろうし、うまく会うことができたのだろうか。本日はある紀行文を読むが、特段困ったことはな... 2022.01.16 江戸前期
江戸前期 逆境を経験した者だけが知るつらさ 惨殺された侍女が化けて出たり祟りをなしたりする話がある。もっとも知られるのは皿屋敷伝説で、このブログでも「怪談・播州皿屋敷」「摂州皿屋敷」「米子皿屋敷の舞台を訪ねて」「ひとぉつ、ふたぁつ、みぃっつ」で紹介した。本日の話題には皿数えは登場しな... 2022.01.14 江戸前期
江戸前期 白雲皇帝と鹿ヶ谷の陰謀 種村季弘『アナクロニズム』河出文庫は忘れられない一冊である。聞いたことのない奇妙な話ばかりで、見てはいけないものを見たかのようなドキドキ感があった。その中に葦原(あしわら)将軍あるいは葦原皇帝という誇大妄想の入院患者が登場する。自家製の勅語... 2021.12.16 江戸前期
江戸前期 禄高一万三千石、その名は隼人 かつて島左近、平田靱負の記事を書いたことがある。浅野大学、竹内式部、山県大弐、長井雅楽など、官職のような名前の人物が歴史にはよく登場する。長年不思議に思っていたが、最近読んだ『氏名の誕生-江戸時代の名前はなぜ消えたのか―』ちくま新書で、やっ... 2021.12.05 江戸前期
江戸前期 終生忘られぬ感激の地 大企業が確実に結果を出しているのは辣腕社長の存在だけでは語れないだろう。幹部社員に優秀な人材を揃えているに違いない。大名も同じだ。大物が亡くなった後に急速に衰える大名家はいくらでもある。若き当主を盛り立て勢力を維持するには有能な家臣団が欠か... 2021.11.26 江戸前期