江戸前期

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栄枯盛衰を物語る寺院

衰微した寺院を復興させるのは並大抵のことではない。藩政期なら大名の豊富な資金力による公的な支援があった。しかし,明治期の国家神道,戦後の政教分離によって,寺院は独り立ちを余儀なくされてきた。広大な伽藍を失った名刹も少なくない。仙台市青葉区北...
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政宗の夢とアカプルコ

どれくらい眠ったかしら 機内のアナウンスは 陽気なスパニッシュ(Holiday in Acapulco)まさに,憧れのアカプルコであるが,今から400年前の船旅でもよく眠れたのだろうか。その海の名は太平洋である。出帆から3ヶ月を経て1614...
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最も勝れ最も堅固なる城

歴女の間で独眼龍政宗は大層な人気である。渡辺謙や松田龍平など,大河ドラマで演じられるたびに好感度が増している。天下を狙わんとする気概,機に応じた振る舞いと美しい装いを知る伊達者振り,人気俳優のイメージと重なって今や戦国第一の英雄である。仙台...
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赤い山門,赤いポンプ

インゲン豆は,隠元和尚が江戸時代に中国から日本へもたらしたと言われている。もちろん和尚は豆を伝えに来日したのではない。禅宗の一派,黄檗宗の開祖として有名な禅師である。姫路市香寺町須加院に「瑞雲山常福寺」がある。隠元の弟子・実伝和尚が開いた黄...
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家光の生まれた小江戸

三代将軍・徳川家光は,生まれながらの将軍である。将軍の正室から生まれた子が将軍となったのは家光のみである。当然,江戸城で生まれたであろう。しかし,家光が生まれた部屋が埼玉県にあるという。その事情を探ることにしよう。川越市小仙波町の「川越大師...
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史上最大の火災の火元

震災や戦災を除いて世界史上最大の火災は明暦の大火,世にいう振袖火事である。江戸市中のみならず江戸城天守までも焼失し,死者は10万8千人と言われる。振袖を手にした娘が次から次へと亡くなるという因縁話もその恐ろしさを増幅している。豊島区巣鴨5丁...
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悪法廃止の名将軍ここに誕生

胞衣(えな)とは,赤ちゃんの生命の土台であった胎盤や膜のことである。命を育んだ胞衣に感謝し,家の敷地内に埋める風習があった。それを胞衣塚という。歴史上の著名人の胞衣塚は各地に残っている。文京区根津1丁目の根津神社に「徳川家宣胞衣塚」がある。...
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印旛沼の美しさ

近江八景をはじめとして,日本各地に八景がある。宋代の瀟湘八景に倣って美しい風景を列挙したものである。臼井八景もその一つだ。佐倉市臼井田干拓から眺める印旛沼は,臼井八景の第一景「舟戸夜雨」(ふなとやう)である。舟戸大橋のたもとの辺りだ。舟戸は...
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里見八犬伝のモデル

『南総里見八犬伝』は日本を代表する伝奇小説である。原文と現代語訳は繰り返し刊行され,歌舞伎からテレビドラマに至るまで,数多く演じられてきた。特に,30年以上前にNHK総合で放映された人形劇は,仁,義,礼,智,忠,信,孝,悌の八徳とともに八犬...
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変わり兜のゆるキャラ

今年は津市にとって「藤堂高虎公入府400年記念」の年に当たり,各種のイベントが実施されている。「シロモチくん」という三段重ねのお餅が兜を被っているキャラクターは,ゆるキャラとして人気があるようだ。ゆるキャラは一見理解を超えているようで,必ず...