明治

明治

漁場の範囲は従前通り

ロシアはトルトネフ副首相は6月10日、「北方四島周辺の日本の漁業権は取り上げられるだろう」と述べた。ロシアの好意で魚を獲らせてもらっている我が国は、スケトウダラ、ホッケ、タコなど約2200トンに対して、協力金を2130万円支払うこととしてい...
明治

巨大蜂の伝説と明治のパンデミック

人形峠はウランで有名だったが、真のレゾンデートルは今も昔も作州津山と伯州倉吉を結ぶ重要ルートであることだ。国道179号は快適な道で、ちょっと長めの人形トンネルを抜けると、鳥取県を滑るように下っていく。あたりが街になったら、そこは倉吉である。...
明治

殖産興業の女性活動家

昆虫食がゆっくりと普及しているようだが、このほどタイカレーに仕上げた「昆虫がおいしい カイコのカレー」が発売されたという。1缶に31匹分のカイコさなぎが入っており、うち8匹は姿煮、残りはパウダーである。かつてカイコは繭で日本経済を支えていた...
明治

皇太子殿下に極上のおもてなし

高台に位置する岡山国際ホテルはけっこう遠くからも見つけることができ、天皇陛下がよくお泊りになっている。その理由は警備のしやすさだと聞いたことがある。アクセスルートが限られるから、確かにそうなのかもしれない。現代では天皇、皇太子、その他皇族方...
明治

あじさい寺は文学のお寺

「あじさい寺」として親しまれているお寺は全国各地にある。境内を何千もの花々が彩り、訪う人の目を楽しませてくれる。私が訪れたのは梅雨入り前の初夏。それほど咲いてはいないが、ところどころに瑞々しい装いを見ることができた。ここは作州津山の長法寺。...
明治

血税一揆から学ぶこと

大河『青天を衝け』は見ていないのだが、維新礼賛の司馬史観を脱却したと高く評価されている。これまで私たちには暗愚な幕府と聡明な薩長という思い込みはなかっただろうか。実のところ、幕府によって進められていた近代化の果実を、暴力で奪ったのは薩長に他...
明治

豪農民権家の底力

不平士族の反乱が失敗に終わり、言論による抵抗、自由民権運動が盛んになった。板垣退助や大隈重信の活躍を見ると、いかにも士族中心に運動が広がったように思える。しかし、運動の真の担い手は豪農であった。明治11年に地方三新法が成立したことで、庄屋ク...
明治

岡山で被災した夏目漱石

『それから』が森田芳光監督によって映画化された時、本気で夏目漱石を読もうかと思った。三千代役の藤谷美和子さんがセピア色に写るポスターが、ノスタルジックで切ない雰囲気をよく表していたのを憶えている。しかし実際には、映画も見なかったし小説も読ん...
明治

北条県庁の守衛さん詰所

私の母方の祖父は日中戦争で戦死している。高校生の頃、その祖父の戦友からのお招きで、戦友会か慰霊祭か、何かの会合に母親と一緒に参加したことがある。場所は姫路の自衛隊駐屯地であった。私が道からそのまま敷地内へ入ろうとした途端、守衛さんに呼び止め...
明治

心が追はれてゐるやう

季節の移ろいに私たちは詩情を喚起させられるが、初春に生きる喜びは格別だ。萌えいづる春の中で、思い切り背伸びをしたくなる。この時季に決まって思い起こすのは川端康成『古都』の冒頭である。春のやさしさとの出会い、それは一期一会、今でしか感ずること...