戦後

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マージナルな場所には魅力がある

今年も秋祭りの時季になった。岡山にあるうちの地域では「備前太鼓うた」のレコードを大音量でかけていた。さすがに近年は音量を落としているが、秋の風物詩の一つであることは変わらない。「びぜーんーおかーやーまー」と始まる名調子は誰かと思ったら、北島...
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君が芳躅を慕ふの声

知の巨人徳富蘇峰は、明治半ばに平民主義から帝国主義へと軸足を移した。その記念碑的一文が昭和十年の『蘇峰自伝』に記されている。此の遼東還附が、予の殆ど一生に於ける運命を支配したと云つても差支へあるまい。此事を聞いて以来、予は精神的に殆ど別人に...
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祝・モンサンミシェル建造開始1000年!

「死ぬまでに行きたい」と形容される絶景スポットに、モンサンミシェルがある。今年は建造開始1000年のメモリアルイヤーで、マクロン大統領は現地で「モンサンミシェルはフランスが大きくなるにつれて高くなった」と礼賛したそうだ。岡山市東区正儀(まさ...
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1.5mの険道をゆく

酷道とか険道という国道や県道とは思えないような道路があり、それを楽しむスリリングな趣味もある。快走するドライブがよいに決まっているが、人はなぜ酷く険しい道を走ろうとするのだろう。その日、私は地元の方が美しいという滝を見に行くため、進入したこ...
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七変化する奇跡の樫の木

あだきみそあむという虹は七色という常識は、古今東西普遍的ではないそうだ。冒頭の七色の覚え方にも異説はあるだろう。我が国で七色という見方が普及するようになるのは、文政十年に青地林宗『気海観瀾(きかいかんらん)』が刊行されてからのことだ。ニュー...
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洞庭湖の水の色をした花

中国に湖北省と湖南省があるが、この省名に登場する「湖」が「洞庭湖」である。見たことはないがその景観はたいそう美しく、「瀟湘八景」として我が国の近江八景など美観ベスト8のモデルとなっている。本日は洞庭湖ゆかりの植物の紹介である。鳥取県東伯郡湯...
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森林鉄道の面影を求めて

各種乗り物には、それぞれコアなファンがいるが、層が厚いのは鉄道ファンだろう。このファンは撮り鉄だとか乗り鉄だとか、さまざまにカテゴライズされるが、廃線鉄というノスタルジー追求派もいる。その中でもマニアックなのが林鉄ファンだろう。森林鉄道は木...
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白馬飛び奔龍躍って深潭に入る

夏の声を聞くと、滝が呼んでいるような気になる。その流れが、その音が、あたりに涼感を醸成しているのだ。滝の形状にはいくつかの種類があり、人気なのは直瀑、崖からそのまま落下する豪快さは滝の代表的なイメージである。途中に段がある段瀑も変化に富んで...
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祝・中原時代幕開け50年!

高橋名人はファミコンの人だが、中原名人は将棋のレジェンドである。時の流れにはすべて時代区分があり、現代将棋界では大山時代、中原時代、羽生時代、そして今や藤井時代だ。今年2月12日、藤井四冠は王将を獲得して五冠を達成した。これは五冠達成4人目...
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琴の字の付く大横綱とは

先日ニュースを見てびっくりしたのは中国五県で幕内力士が二人しかいないことだ。一人は島根出身の隠岐の海関、もう一人は鳥取出身の石浦関である。中国の相撲は山陰でもつ、というわけだ。今年の春場所で優勝した若隆景関は、小早川隆景にちなんだ四股名だか...