戦後

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鞆の浦の龍の昇天

既に十数年の昔のことである。初めて鞆の浦を訪れた時、古寺めぐりをして法宣寺を訪ねた。境内に入ったとたんに絶句したのは、巨大な松が枯れていたからだ。枯れてからさほど時間が経っていなかったのだろう、枝が折れているわけでなく、葉さえ落ちていなかっ...
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こいが,空に,泳いで

5月が終わろうとしているが,今さらながら鯉のぼりである。気候の変動が激しかったこの一か月,暑かったり寒かったり,風によって尾鰭が綱に引っかかることもあれば雨でだらんと垂れ下がることもあった空泳ぐ魚,その存在を讃えずにはいられない。道往く人々...
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河底に降りるエレベータ

都会には何でもあるものだな,と感心した。自転車と人がエレベータに乗って降り,歩いて河底を渡って再びエレベータで地上へ昇る。珍しそうにキョロキョロしたりカメラを向けたりしている挙動不審者は私しかいない。地元の方にとっては日常行為の一つにしか過...
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樽廻船の入った川の跡

廃線跡を歩くという鉄道ファンがいるくらいだから,廃川跡をたどる歴史ファンがいてもよいだろう。ここに昔,鉄道が通っていたのか。どれだけ多くの客車が往復したことだろう。そしてどんなに多くの人生を運んだことだろう。それがテツの感慨なら,この川も負...
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歴史あるカバヤの恩人

学生時代に自転車で通っていた頃,お菓子の工場の近くを通ると,いつも甘~い匂いがした。深呼吸をして鼻で味わって,少しだけ得をした気分になったものだ。味や香りだけでなくパッケージからおまけまで,子ども心をくすぐるしかけに満ちている。今日はお菓子...
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いちめんのなのはな

教科書にも掲載されている有名な詩だそうだが,最近になって初めて知った。山村暮鳥『聖三稜玻璃』から「風景 純銀もざいく」である。ラジオから流れる子どもの声「いちめんのなのはな いちめんのなのはな…」聞いているうちに3年前に撮った写真を思い出し...
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昭和の急行車両

ホームで待つ人々が何か落ち着かない。もしやと思ったら,やはりそうだった。郷愁を誘う汽車の入線である。撮り鉄ではないのだが,思わずカメラを向けてしまった。この汽車はいったい何なんだ。にわか鉄の旅が始まった。岡山駅9番ホームの津山線に臨時列車「...
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雉さんチームがんばれ!

岡山といえば桃太郎だ。桃太郎は,猿,犬,雉をお供として連れている。桃太郎伝説は各地にあって本家争いもあるようだが,銘菓「吉備団子」の知名度によって岡山が抜きん出ているように思える。本日,岡山市北区いずみ町の桃太郎スタジアムで「ファジアーノ岡...
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祝・児島湾締切堤防完成50周年

オランダのアイセル湖についで世界第2位の面積を誇る人造湖,それが児島湖である。地元では「淡水湖」と水の性質による呼称が定着している。児島湾を堤防で締め切って淡水湖をつくり,干拓地の灌漑に活用した。おかげで岡山市南部は有数の米作地帯として発展...
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望遠鏡で見た北方領土

日本国の領土でありながら自由往来のできない北方領土。地図で見るのと実際に見るのとでは迫力が違う。百聞は一見に如かず,とはこのことだ。根室市納沙布にある北方館から「貝殻島」が見える。形式的には根室市に属するのだが,実質的にはロシアのサハリン州...