平安

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金の甲の埋まる山

岡山市南部には「金甲山」を校歌とする学校がいくつかある。金甲山のみねよりも 高き理想に胸をはり(福島小)真澄の空にそびえて清い 金甲山のふもとに伸びる(第二藤田小)緑かがやく金甲山 潮風かおるこの大地(南輝小)どっしりした山容の頂にはテレビ...
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海の中からおいしい水

「弘法筆を選ばず」というが、筆のすべりが悪いとか持ちにくいとか、字の下手な原因をついつい自分以外に求めようとする。人間だもの。文字は何のためにあるのか。それは情報を伝達するためである。ならば、相手に伝わりさえすればいんじゃね?と思うのだが、...
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夢の裏にだにも逢ふことを得ず

マスコット人類学によると、自治体のマスコットキャラクターには、人類系と動物系が目立つが、植物出身者も少なくない。その他、何モノかよく分からない妖精系もいる。坂出市の公認キャラクターは、おじゃる丸のような「さかいでまろ」である。さかいでまろは...
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白鹿を献上したら税金免除

「白鹿」というと灘の美味い酒だが、むかしむかし、本物の白い鹿が朝廷に献上されたことがある。天皇はたいそうお喜びになり、良いことが起こる前兆だとして元号を改めたという。「平成」は30年までで、2019年元日から新元号となるらしい。これは皇位継...
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能因は「こりゃ便利だね」とサンオイル

和歌には、枕詞(まくらことば)、掛詞(かけことば)、縁語、序詞、歌枕、本歌取りなど、さまざまな表現の技がある。たったの31文字が、その字数にとどまらない空間的な広がり、心情的な深まりを見せるのは、これらの修辞のおかげだ。百人一首の中でもとり...
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伊保の湊に千鳥鳴くなり

「千鳥」の話をするが、お笑いコンビではない。私も「千鳥足」なら体験的によく知っているが、そんな話でもない。千鳥の鳴き声が物悲しく聞こえる歌を、鑑賞しようというのである。高砂市伊保東1丁目に「大江嘉言(おおえのよしとき)歌碑」がある。昭和59...
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渚(なぎさ)、それは地域の誇り

生まれてこの方、水道水育ちで、井戸水を汲んだことがない。もっとも干拓地暮らしだから、どの家にも井戸がない。井戸でスイカを冷やしたとか、井戸の幽霊に肝を冷やしたとか、井戸のある生活をしたことがない。しかし、「紀行歴史遊学」では井戸を数多く紹介...
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ゆくへも知らぬ恋の道かな

19日公開の広瀬すず主演『ちはやふる』が大コケだという情報がある。“壁ドン”がないからだとか、すずちゃんがどうのとか、好き勝手に言われているが、私は若い人が百人一首を知る好機となる優れた映画だと高く評価している。内容のよさが興行収入に直結し...
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物語紀行「安寿と厨子王」

「丹後七姫」という観光キャンペーンがある。乙姫、羽衣天女、間人(はしうど)皇后、小野小町、静御前、細川ガラシャ、これで六人だ。最後の一人は京丹後市観光協会と海の京都観光推進協議会とで、解釈が異なっている。京丹後市観光協会は川上摩須郎女(かわ...
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『ちはやふる』と竜田揚げ

今月19日に映画『ちはやふる』が公開される。千早役は飛ぶ鳥を落とす勢いの広瀬すずである。なんでも「上の句」と「下の句」の二部作だそうで、水がぬるんで花が咲き、詩心の湧きいづる季節、春に公開するところがにくらしい。千早が好きな札は、もちろん自...