室町

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中央政治決戦に臨んだ武将

自動車好きな人は、そのフォルムで年代を言い当てることができるだろう。空気抵抗の研究やプレス技術の進歩、そしてその時代の流行によって、丸っこいか角ばっているかが決まってくる。それと同様に貴重な文化財である石造物にも、その時代特有のフォルムがあ...
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織田信長の難関突破

「難関突破守」というありがたいお守りを受験生に授与しているのは、金崎宮(かねがさきぐう)という神社である。両端を紐で結んだ珍しい形で「小豆袋守」ともいう。戦国時代のエピソードにちなんでいるというので、現地を取材してきた。敦賀市金ヶ崎町に「金...
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敗れた者の桶狭間

FROGMANの傑作『古墳ギャルのコフィー』に、桶狭間(おけはざま)先生という訳の分からないキャラクターが登場する。矢の刺さった落武者で、コフィーの担任教師だという。ここまで読んで意味不明だった方、気に留めずともまったく支障ない。本題はここ...
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鐘の響きは平和の証し

リサイクルではなく「金属供出」である。戦時中、多くの金属製品が回収され、兵器の生産に充てられた。生活用品のみならず、お寺の釣鐘、街中の銅像までもが「出征」した。釣鐘が失われた鐘楼には、コンクリート製などの代替梵鐘が吊るされたという。持たざる...
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これまたずいぶんの忠節にあらずや

二人の天皇が対立する異常事態を収束した南北朝の合一は、明徳三年(1392)のことである。これを成し遂げることで足利義満の権力基盤は確固たるものとなり、金閣に象徴されるような室町幕府の最盛期を迎える。私はそのように理解していた。ところが調べて...
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魂を鎮める奇祭

「将軍犬死」天下の将軍がこのような最期を迎えようとは。あきれとも驚きともつかぬ言葉で、室町幕府第6代の足利義教の死は語られた。伏見宮貞成親王『看聞日記』嘉吉元年六月二十五日条である。自業自得果無力事歟、将軍如此犬死、古来不聞其例事也自業自得...
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私家版・雪舟伝

数年おきに法事で総社市の親戚とお会いするのだが、お供えに持ってこられるお菓子は、きまって平川雪舟庵の「雪舟もなか」である。ねずみの形をしていて美味、うれしくなること請け合いの銘菓である。修行中の雪舟が涙でねずみの絵を描いたエピソードはけっこ...
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リサイクルで生まれたお地蔵様

リサイクルの対象は、古紙や廃プラスチックだけではない。石材だって限りある貴重な資源だ。よく使われる花崗岩は深成岩であり、火山の噴火口から流れ出た溶岩が固まってできるのではなく、地中深く長い時間をかけてできるわけだ。そこで、不要となった石材を...
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美濃に都文化の花開く

斎藤道三は下剋上の典型的大名だが、その道三に乗っ取られたのが美濃国の守護代の地位にあった斎藤家である。芥川龍之介『芋粥』に登場する藤原利仁の後裔だという。在京することの多い守護の土岐氏に代わって、15世紀後半には全盛期を築いた。今日はその頃...
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行方知れずの菊水

「菊水」といえば、‘ちょいと出ました私は’の「河内屋菊水丸」か「ふなぐち菊水一番しぼり」という酒缶に思えてならない。それでもやはり「菊水」は、大楠公をはじめ楠木一族の紋所であり、忠君愛国を象徴する紋様である。デザインとして流麗で気品がある。...