安土桃山

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福井で考える武将の評価

豊臣秀吉は木下藤吉郎、羽柴筑前守と名を変えてきたのだが、そのことは天下一の出世人という彼の人生を端的に象徴している。今日は武将として力を伸ばした時代の「羽柴」姓ゆかりの史跡である。福井市中央一丁目の柴田神社に「柴田勝家公像」がある。柴田神社...
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三姉妹の心のふるさと

田舎町でオーリガ、マーシャ、イリーナは、かつて暮らしたモスクワを夢見ていた。遠ざかるものに追いすがるかのように「そうよ、早くモスクワへ」と叫ぶ。チェーホフの四大戯曲の一つ、『三人姉妹』である。ロシア文学から入ったものの話の落としどころに迷っ...
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大仏を焼く者は自らをも焼く

ブログ『紀行歴史遊学』はこの記事で500回となる。史跡を訪ねることで歴史を見つめ、自分の生き方をも考えさせられたような気がする。まだまだ知らないことが多すぎる。先師先哲は歴史を生きた数多の人々その人であった。著名人のみが歴史を動かしたわけで...
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石山合戦終焉の地

人名や地名は、人にあっては顔のようなもので、間違えられると本当にがっくりする。しかし、漢字にふりがなが振られているわけではなし、読み間違えは、ままあることだ。「深日」も字面が易しいわりには、難読の部類に入るだろう。大阪府泉南郡岬町に鶴龍山金...
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その後の濃姫

17日(土)にテレビ朝日系列で「ドラマスペシャル濃姫」が放映された。織田信長を主人公とするテレビ、映画は数知れないが、その正室である濃姫をヒロインとしたものは、これまでにあったのだろうか。観月ありさの好演は、謎の多いこの女性のイメージ形成に...
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石舟斎が斬った岩

NHKのBS時代劇で『塚原卜伝』をやっていた。BSは契約していないので見てはいないが、評判だと聞く。堺雅人の名演技のおかげか、卜伝その人の人間的な魅力によるのか、判然とはしない。剣豪の人気は剣の腕前以上に、その生き方にある。柳生十兵衛、その...
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ご先祖さまのおかげです

関東の雄、北条氏が世渡り上手で秀吉に頭を下げていれば、その後の家康の江戸入封もなかったかもしれない。すると日本の首都も果して今の姿であったかどうか。想像するのは楽しいが、主家を失った家臣はそれぞれに生きる道を探さねばならなかった。板橋区赤塚...
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日本の武将と朝鮮の少年

神様になった武将は多い。神君家康公などと祀り上げられるのもいいが、庶民信仰の対象となっている加藤清正は幸せだと思う。まったく季節外れだが、清正公のお祭りの話題である。港区白金台一丁目に「鎮守清正公大神儀」と刻まれた石碑がある。側面下部の「最...
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流浪、始めの一歩

この秋に滋賀県立安土城考古博物館で足利義昭展があった。織田信長に追放された最後の室町将軍として知られたVIPだが、その割にはスポットが当てられなかった。今回の展覧会は義昭の生涯を詳しく紹介しており、たいへん見ごたえがあった。宇治市槇島町薗場...
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シルバーラッシュの象徴

ずいぶん昔に佐渡金山に行って驚いた。山が割れている…。有名な「道遊の割戸」である。標高が高く、山頂部が深くV字形になった稜線が、青い空を背景にはっきりと見えた。人間の執念は山の形を変える。朝来市生野町小野の生野銀山に「慶寿の堀切」という露天...