奈良

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落ちてきた龍のしっぽ

ケータイにカメラ機能がついているせいか、テレビで視聴者提供の写真やビデオがよく紹介される。とりわけ先日の竜巻には驚いた。うねるように空に伸びる暗い雲。それはまさに、天に昇る龍の姿であった。今回の龍は厄災をもたらしたが、恵みの雨を降らせもする...
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道鏡政権成立の道程

皇位継承の危機は今だけのことではない。奈良の昔、聖武天皇の御代は特に天平時代と呼ばれ、日本文化史において一つのピークを迎えていた。国際色豊かな平城の都は今日もロマンで語られ、宮廷も栄華を楽しんでいたかのように思える。大阪府泉南郡岬町深日の国...
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万葉歌に吹く風

歌枕を旅するのは玄人の楽しみである。古典に造詣が深いのは勿論のこと、歴史的景観を復元する想像力を持ち合わせていなければならない。とりわけ近代化に伴う海岸の変化は著しい。なにせ日本に残る自然海岸は海岸総延長の50%ほどであり、大阪府では1%以...
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小中華演出の空間

よく何周年記念というイベントがあるが、1300年ともなると壮大で、遠い目をして悠久の歴史に想いを馳せたくなる。平城遷都1300年祭である。この年の夏休みの終わりごろに行った。けっこう賑わっていたように記憶しているが、あまりにも広くて下の写真...
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鷲に運ばれてきた子ども

子どもが鷲にさらわれるなんぞ、このうえもない悲劇であるが、説話ではよくあることのようだ。よく知られたところでは良弁(ろうべん)というお坊さまが鷲にさらわれた子どもであった。良弁は東大寺の初代別当という日本史上でも著名な高僧である。奈良市雑司...
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若狭の水を奈良で汲む

吉田拓郎「春を待つ手紙」のように春を待っている。泣きたい気持ちで冬を越えてきたわけではないが、人生の文字が似合うような旅はしたいと思っている。暖かくなると長い眠りから覚めたように動き出したくなるものだ。春を告げる風物詩として知られる東大寺の...
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世俗を捨てた天皇

天皇で諡号に「武」の付く方は力強いイメージがする。神武天皇、天武天皇、桓武天皇…。今日の主人公、聖武天皇は小学6年生でも知っている奈良時代を代表する天皇である。大仏ばかりに目が向きがちな東大寺において、聖武天皇が仏教に帰依したことを直接伝え...
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東大寺インターナショナル

なまじ鎖国があったために日本の国際化はペリー以来と思われているが、そうではない。古代日本こそ国際化社会、アジアは一つであった。中国、朝鮮半島から来日した外国人技術者とその子孫の指導によりイノベーションが進展した。彼等の国を日本人は「から」と...
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ドライミストを授与する神様

こう寒いと氷などどうでもよく、冷凍庫の氷を切らして久しい。代わりに外が凍っている。暖房の前から離れられず何をする気にもならないから、夏がやっぱりいいなと思っている。しかし、夏の暑い盛りにはそんなことはすっかり忘れ、冬に寒くても動けば温まるが...
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空海のレーザー彫刻

ショックだったのはバーミヤンの磨崖仏が破壊されたと知った時だ。歴史上確かに繰り返されてきた文化財の破壊の一つではある。しかし文化財保護が世界レベルで行われるようになった現代において、あのようなことが発生するとは思ってもみなかった。何年経って...