大正 江の島で考える台湾統治 今年もNHK『坂の上の雲』が待ち遠しい、という方も多いだろう。近代国家日本の青春であるかのように瑞々しい人物像が描かれている。豪華キャストのひとり高橋英樹が演じる児玉源太郎は、日露戦争、二〇三高地攻略の英雄である。藤沢市江の島一丁目に「児玉... 2011.08.30 大正
大正 土饅頭に眠る天心 二十年ほど前、初めてスキーに行ったのが妙高高原(新潟県)で、その時泊まったのが赤倉温泉の「岡倉」という民宿だった。宿のパンフレットには「岡倉天心ゆかりの宿」というキャッチコピーがあったが、どのようなゆかりなのか分からなかった。そして、岡倉天... 2011.05.28 大正
大正 会いたかった灯台 灯台は岬のシンボルだ。岬めぐりの自転車を走らせて灯台を目指す。登山家が頂上を目指すように、輪人は灯台を目指す。それは一義的には達成感を得るためであるが、灯台そのものの美しさに触れるためでもある。酷暑にも暴風にも負けず屹立する孤高の気高さに学... 2011.03.23 大正
大正 潮を観る、汐を見る 森鷗外に現代語訳が出ている。鷗外は古典だが古文か?とも思ったが、むかし教科書に載っていた『舞姫』が読むのにつっかえて途中で放り投げたことを思い出した。もう漫画でも何でもよい。とりあえず鷗外ワールドに入ることが大切だ。今日は鷗外の執筆環境に入... 2011.02.27 大正
大正 明智小五郎がデビューした坂 どうも菊人形に興味が湧かない。スタイリッシュな雰囲気が感じられない。スタイリッシュな菊人形?イメージがつかめない。園芸細工としてはよくできており、伝統文化として観賞すれば、それなりの楽しみ方もあるのだろう。だが、つい『犬神家の一族』のシーン... 2011.02.24 大正
大正 お上の事には間違いはございますまいから ようよう六歳になる末子(ばっし)の初五郎は、これも黙って役人の顔を見たが、「お前はどうじゃ、死ぬるのか」と問われて、活潑にかぶりを振った。書院の人々は覚えず、それを見てほほえんだ。この時佐佐が書院の敷居ぎわまで進み出て、「いち」と呼んだ。「... 2011.01.15 大正
大正 帝室技芸員の夢殿 落語家や歌舞伎俳優、あるいは茶道などの芸事には名跡という代々襲名していく名前がある。建造物という美しい作品を残す建築家にもそれがあった。「伊藤平左衛門」である。初代が1609年に名古屋城の築城に従事したことに始まり、以来十二代に至るまで堂宮... 2010.10.03 大正
大正 大正の現役トンネル 煉瓦造りで車一台がやっと通れるトンネル。そう聞くと好奇の心を抑えきれなくなり出掛けてしまった。さすがにトンネルが造られる山へ向かう道は急坂だ。しかし,そのトンネルが見えた時は,ベトナムのミーソン遺跡を発見したフランス人の気持ちが分かった気が... 2009.05.16 大正
大正 震災は忘れた頃に 東海地震説が提唱されたのが1976年だというから,かれこれ30年以上になる。すぐにでも来ると言われたのに,なかなか来ない。来なくていいのだが,こう来ないと慣れが生じて油断につながる。豊島区巣鴨三丁目の眞性寺に「大震火災遭難者供養塔」がある。... 2009.03.26 大正