gyokuzan

江戸中期

洋学者のご先祖さま

「げんぽくん」というどんぐり眼の津山市公式キャラクターがいる。洋学ファンならお気付きであろうが、津山藩出身で語学力を生かし幕末の対外交渉に参画した蘭学者、箕作阮甫(みつくりげんぽ)である。このブログでも「近代を告げた手紙を訳す」で紹介したこ...
江戸後期

パスポートと同じ菊の御紋

小学校6年生だったか、家庭科の裁縫で枕カバーの刺繍をした。デザインは自由だったので、私は菊の御紋にした。車でもなく飛行機でもなく、なんで菊の御紋? 先生は何もおっしゃらなかったが、怪訝な顔をなさっていたことを覚えている。菊の御紋にしたのは、...
奈良

伯耆古代史の原風景

鳥取県で東の因幡を代表するのは鳥取市、東の伯耆を代表するのは米子市である。古代から米子は伯耆の中心だったのかと勘違いしそうだが、実際には倉吉市が中心だった。本日は古代伯耆の官庁街をレポートすることとしよう。鳥取県倉吉市国分寺に国指定史跡の「...
飛鳥

山陰に花咲く白鳳文化

よく通っていた道沿いに、更地を突然発見することがある。あれ、何があったっけ。見ているはずなのに思い出せない。現代人でさえこうなのだから、古代の建造物に謎が多いのも当然だろう。本日紹介する寺院跡は地域随一の規模を誇るが、現役時代の名称は長らく...
戦前戦中

善隣の国交を新聞はどう伝えようとしたか

新型コロナウイルス蔓延で1年先になったオリンピックでさえ開催できるのか不透明な状況だ。今秋の第39回蒜山高原マラソン全国大会の案内が来ないと思っていたら、案の定、中止が発表された。この先、予想していたことがどれだけ外れても大して驚かなくなる...
江戸前期

家康から後事を託された大名

「八橋」を「やつはし」と読んだら、京都の銘菓「八ツ橋」を思い出す。三角形でニッキ風味の柔らかいお菓子のことかと思ったら、それは「生」のほうで、本来の八ツ橋は琴の形をした焼菓子だった。それもそのはず、近世箏曲の祖八橋検校(やつはしけんぎょう)...
明治

小泉八雲の新婚旅行

古池や 蛙飛び込む 水の音The old pond, aye! / And the sound of a frog / leaping into the water.これは明治のお雇い外国人で東京帝国大学教授のバジル・ホール・チェンバレンに...
戦前戦中

本当の幸いは一体何だろう

「けれどもほんたうのさいはひは一体なんだらう」こうジョバンニは問うた。カムパネルラに訊いたのだが、実のところは私たちに問いかけているのだと思う。幸せだとか不幸だとか人は簡単に口にするが、ジョバンニが問うているのは目の前の損得ではなく、「本当...
源平

白き狼が教えてくれた温泉と銘酒

酒は古くなると酢になるという迷信を信じていた。この世に「古酒」があるのを知ったのは、三朝温泉の藤井酒造という造り酒屋に立ち寄ったときのことである。その折、私は試飲できなかったが熟成香に興味があったので、迷うことなく買って帰った。いや実は少し...
戦後

キュリー夫妻を顕彰する町

「キュリー祭」というイベントが毎年、三朝温泉で行われている。今年で第64回を数える祭りが本日、7月26日に開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響を考慮して中止となった。本来なら今頃はオリンピックが開催され全国的にも大いに盛り上がっ...