gyokuzan

弥生以前

二千万年前の水の流れ

置かれた場所で咲きなさいと言われるから、私も今の場所で一花咲かせようと頑張っているのだが、養分を吸収する力がないのか蕾さえできないでいる。諸先輩方の残した偉大な足跡に学びながら、私も何か一つでも跡を残そうと地団駄踏んでいるのだが、びくともし...
奈良

有間皇子と但馬を結んだもの

泣ける万葉歌の一つに「家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る」がある。家ならちゃんとした器によそうご飯も、旅の途中だから椎の木の葉っぱに盛り付けている。時は斉明四年(658)、孝徳天皇の一人息子有間皇子が謀反の嫌疑で捕らえられ、...
江戸後期

いぼいぼ渡れ、この橋渡れ

幸いなことにイボで困ったことがないから、ありがたみがよく分かっていない。いぼ神様の話である。このブログでも「いぼ神様になった巨勢金岡」「お肌の健康は心の健康」で紹介したことがある。皮膚科のない時代には願掛けしか治療法がなかったのだろう。兵庫...
平安

塵の舞う道を行く人は目をおおう

公私混同、政治とカネ、権力と忖度…。汚職事件の構造は永遠に変わらないかのようだ。菅首相ご長男による接待、首相への忖度、ご長男への便宜供与、と総務省官僚がいろいろと気を遣っていたという。デジタル化を先導する役所であるが、テクノロジーの進展ほど...
戦後

夢千代日記が伝えたかったこと

これまでに観た数少ないテレビドラマのうち、今も記憶に留まる作品がある。吉永小百合さん主演の『夢千代日記』だ。いや松田優作さんが出ていたから、正確に言うと『新夢千代日記』だった。夢千代が読む日記の一節、余情に満ちた前田純孝の歌、山陰の温泉町と...
古墳

リユースされた横穴式石室

我が国には「もったいない」という美徳があり、古来さまざまなものをリユースしてきた。古墳だってそうだ。石棺の石材は板のように加工されて使いやすく、橋として小川に架けられたり、仏さまに加工され信仰の対象となったりした。豊橋市の大塚南古墳(国指定...
江戸前期

開きかけた宝篋印塔

専門家は発掘された土器や苔むした石造物の年代を言い当てる。同じようにしか見えないんですけど、と思って聞けば、デザインが違うのだと言う。「自動車も家電もファッションも、その時代らしさがありますよね。スマホだって古い機種だな、と見分けがつくでし...
弥生以前

曲げられた地層と崇高な理念

復興五輪やらコンパクト五輪の理念で始まった東京オリパラは、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として開催する」という。打ち勝ったとはつまり、ワクチンが効けばということだろう。何もかも経費は膨らみ続けている。そんな瀬戸際の状況下で、大御大...
平安

まつとし聞かば今帰りこむ(因幡編)

すず派?アリス派?どっちも派!と書いたのが2017年12月のこと。美人姉妹松風・村雨と在原行平との出逢いを紹介した「まつとし聞かば今帰りこむ」の冒頭である。2020年5月のgooランキングによれば「芸能界一美しい姉妹」第1位は、やはり広瀬ア...
古墳

石舟に眠る二位の尼

「尼ぜ、我をばいづちへ具してゆかんとするぞ。」「君は未知(いまだしろ)し召れさぶらはずや。先世の十善戒行の御力に依て、今万乗の主と生(うまれ)させ給へども、悪縁に引かれて、御運既に尽させ給ひぬ。先づ東に向はせ給ひて、伊勢大神宮に御暇申させ給...