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源平

武者の姿と松の巨木

「王城一の強弓精兵なりければ、能登殿の矢先に廻る者、一人も射落とせれずと云ふ事なし」『平家物語』巻第十一「嗣信最期の事」にこのように記された能登殿とは、平家の豪腕、能登守教経である。文弱に描かれやすい平家の公達の中では、文字通り源氏に一矢を...
源平

武士の意地、妻の想い

人が歴史に求めるものは、史実ではなくロマンである。その代表例が「源義経」で英雄不死伝説へ発展していくのだが、それは平家の武将にも見ることができる。『平家物語』のヒーロー、ヒロインが山里を歴史の舞台へ引き上げてくれている。福山市沼隈町大字中山...
源平

禁忌としての白色

合理性ばかりで割り切れないところに民俗学の面白さがある。忌避せねばならない行動には、なぜそうなったかという、もっともらしい理由が付随している。いや、もっともな理由があったのかもしれないが、落武者の悲話などと結びつくと妙な説得力が生じてくる。...
安土桃山

足利将軍,崩された石塔

時代を越えて慕われ続け墓に香煙が絶えることがないのは,坂本龍馬くらいなものだ。ファンのメッセージまで並ぶ観光的な墓となっていることは、彼の評価を見事に顕現したものだ。しかし,崩れて苔むした石塔であっても,充分に歴史の教訓というか人生の教えに...
平安

生活の水,弘法の水

弘法大師ほど伝説の多い方はいない。大師が杖を突いたら泉が湧き出してきただとか、逆に大師が水を所望したにもかかわらず惜しんで与えなかったので水が涸れてしまったなど、大師の霊験を示す話は全国各地に分布している。福山市沼隈町大字上山南に「弘法の井...
神話

神武天皇が見た眺め

天子南面す,という都城の構成も,我が家が南向きなのもおそらくは同じ理由だろう。鼎の軽重を問うような不遜な主張をしているのではない。北半球では陽射しが南から入るというだけのことだ。前回紹介した神武天皇の御上陸地の近くに道標がある。私たちも御幸...
神話

神武天皇御上陸

神武東征がどのような史実を反映しているのか分からないが,海上交通における瀬戸内海の存在意義は理解できる。国を興そうとするカムヤマトイワレヒコは,安全な移動,そして入念な準備のため,瀬戸内海をゆっくりと上って行った。福山市柳津町の貴船荒神社に...
特集

諸国を修行する橘逸勢の娘(橘逸勢・下)

由緒の正しさを主張するため家系図でさえ偽作されるのだ。いはんや神社の由緒においてをや。しかし,神徳を疑い事実かどうかを詮索するなら,宗教は成立しない。荒唐無稽な由緒であっても,それが語られる理由があったはずだし,信仰する人にとってそれは事実...
特集

橘逸勢父娘VS役小角母子(橘逸勢・中)

親子の情愛は他のいかなる絆よりも強い。橘逸勢とその娘の話である。父が理不尽な罪で責めを負わされたとき、娘は行動を起こした。配所に向かう父の後を追い、父が亡くなるとその地に留まり出家して菩提を弔い、父の名誉が回復されるとその骨を持って京に帰っ...
特集

パワースポット(橘逸勢・上)

三筆の一人として名高く,留学先の唐の文人から「橘秀才」とまで呼ばれた橘逸勢。彼は,死後,怨霊となった。彼がそうなったのは,冤罪事件によって配流され,結果として死に追いやられたからである。そして,その死にまつわるエピソードが後世の人の心を動か...