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特集

交通と産業の要衝(鵤荘・中)

説明がなかったら気に留めないだろう。愛でるような石とはとてもいえない。しかし、その石は永年にわたって荘園の境界を示すものとして人々に意識されてきた。そのことが石に歴史的な生命を吹き込んだのだ。今日は法隆寺領播磨国鵤荘(いかるがのしょう)の牓...
特集

荘園の痕跡(鵤荘・上)

おそらく中世は荘園だらけだったのではないかと思われるが、それを実感できる遺物となるとなかなか残っていない。古文書や埋蔵文化財にはあるかもしれないが、現地を訪れて目の当たりに出来る史跡はないのか。と思ったら、あった。兵庫県揖保郡太子町鵤字北山...
大正

帝室技芸員の夢殿

落語家や歌舞伎俳優、あるいは茶道などの芸事には名跡という代々襲名していく名前がある。建造物という美しい作品を残す建築家にもそれがあった。「伊藤平左衛門」である。初代が1609年に名古屋城の築城に従事したことに始まり、以来十二代に至るまで堂宮...
奈良

スタンプラリーの起源

あるお坊様が死んだ。死んだと思ったら閻魔様の使いが迎えにやって来た。お坊様が閻魔様の前に進み出て「どのようなことでお召しになったのでしょうか」と言うと、閻魔様はおっしゃった。「そもそも、日本には観音さまの浄土という霊地が33か所ある。一度こ...
平安

頭痛を治す皇子

父が天皇でその第一皇子なら、当然ながら皇太子となり、行末は天皇として歴史に名を刻むことになったはずだ。そううまくいかないところが現実であり、皇位継承には権力闘争がつきものである。その典型の一つが保元の乱、兄・崇徳上皇と弟・後白河天皇の争いで...
戦後

謎のクレーター

最近は日帰り温泉に興味が湧いて、旅程の中に組み入れることも多い。温泉と史跡はけっこう結びつきがあって、弘法大師が杖を突いたとか白鷺が傷を癒したとか、その由来が伝説になっていることが多い。しかし、私が求めているものは由緒ある温泉の高級旅館では...
安土桃山

子供をば串に刺し

古城に立つと「兵どもが夢のあと」の句が思い浮かぶ。多くの死者が出た凄惨な殺戮の場であったはずだが、芭蕉の時代にしてすでに浪漫と化している。まして今や戦国武将の追った夢を追体験しようと、多くの人々が古城を訪れている。兵庫県佐用郡佐用町上月の上...
戦後

鞆の浦の龍の昇天

既に十数年の昔のことである。初めて鞆の浦を訪れた時、古寺めぐりをして法宣寺を訪ねた。境内に入ったとたんに絶句したのは、巨大な松が枯れていたからだ。枯れてからさほど時間が経っていなかったのだろう、枝が折れているわけでなく、葉さえ落ちていなかっ...
室町

母の面影、息子の肖像

母を訪ねて三千里のマルコと浄土真宗の蓮如上人、母を思う気持ちは古今東西同じなのだと思う。母は人の原点であり、かけがえのない存在である。今日は蓮如上人の母の話をしたい。福山市鞆町鞆の本願寺に「蓮如上人の母の墓」といわれる石塔がある。この“時宗...
南北朝

父との戦い

足利尊氏は逆臣だとか、ずいぶんと貶められた時期があったが、幕府を創設し武家政権の進展に寄与した歴史上前向きな評価を受けている。しかし、父親としてはどうだろう。非嫡出子である直冬を冷遇し、討伐軍まで向けている。兄としてもどうだろう。弟・直義と...