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特集

真備公を顕彰する二つの公園【吉備真備①】

古代日本史の人物で顔が思い浮かぶのは聖徳太子ぐらいなものだ。あのお姿がありがたく感じるのは、壱萬円札から生じた昭和の聖徳太子信仰によるものだろう。いっぽう卑弥呼はあまりにも有名だが、容貌についてはさっぱり分からない。和気清麻呂は見たことがあ...
戦国

大堀切で守られた要衝の城

山城探訪の最大の魅力は堀切にある。尾根筋を進撃する敵は、突然断ち切られる道に勢いを止めざるを得ない。山城攻防の最前線となるのが堀切なのである。ただし今、数百年の歳月を経て、堀切は築造当時の峻険さを失っていることが多い。しかし、備中猿掛城では...
戦後

水面に出現した富士とは

「よーうつってじゃが」「ほーかのー」とは岡山弁の会話で、「よくお似合いですね」「そうですかぁ(照)」という意味である。この似合うを「映る」と言うのは我が国古来からの用例であり、「気疎(けうと)し」を「きょーてー」と使い続ける岡山弁ならではの...
江戸中期

寛政戊午重三禊飲于此

謎の芸術家バンクシーが器物損壊を問われないのは、価値を台無しにする落書きではなく、価値を付加するアートだからだという。分かったようで、どこか腑に落ちない心持ちだ。しかし、似たような例は我が国にもある。美しい渓流で宴を開いた拙斎先生。興が乗っ...
弥生以前

200万年前の溶岩

今は地質年代で言えば新生代第四紀である。新生代は第三紀と第四紀から成るが、1989年以来、第三紀を古第三紀と新第三紀に分けている。さらに2009年、新第三紀と第四紀の境界が181万年前から258万年前に変更された。ジェラシアンという時代区分...
室町

神は人の敬によって威を増す

神︀者︀依人之敬増威、人者︀依神︀之徳添運。神は人の敬によって威を増し、人は神の徳によって運を添ふ。御成敗式目の第一条には、こんな名言が記されている。神と人の関係を、これほど的確に表現した言葉を私は知らない。本日は備北の神社からのレポートで...
江戸前期

淫祠邪神を排除する

寛文の三名君、保科正之、徳川光圀、池田光政に共通するのは、学問好きな性格と宗教政策である。儒教を篤く信仰し、既存の寺社を整理した。人々を惑わす淫祠邪教を取り締まり、宗教を通して人心を掌握しようとしたようだ。三人のうちで最も急進的だったのが池...
戦国

南蛮渡来のタヌキの物語

「魔法のコトバ」というSPITZの名曲があるが、多感な時期、その一言で劇的に世界が変わった経験をお持ちではないか。その魔法、恋といふ。恋魔法なら何時までもかかっていたいものだが、勘違いだったことがよくある。本日は魔法という名の神社である。ど...
幕末

富足ゆかむ春ぞ来むかふ

ストレートな思いが若者言葉や英語に訳しやすいと評判で、元号の出典として高く評価される『万葉集』。今年は「和歌の浦誕生1300年」という記念の年に当たる。神亀元年(724)、この年に即位した聖武天皇が和歌の浦に行幸して1300年。帝に随行した...
鎌倉

備中松山城跡縦走記

臥牛山は母との思い出の場所である。それはまだ特急やくもが気動車だったころ、私が備中松山城を見に行きたいと言ったらしい。お城を目指して臥牛山を登っていると、おやつの入った私のカバンを何者かが引っ張る。サルだ。「なんもないよ」と説得を試みるも、...