南北朝

美しすぎる人妻の悲劇

『忠臣蔵』は吉良上野介と浅野内匠頭の対立から始まるが、物語の上では『太平記』が描いた高師直と塩冶判官の争いという設定である。「高」は高家の吉良であることを暗示し、「塩」は赤穂の塩、つまり浅野内匠頭を連想させる。吉良と浅野の対立の原因は諸説あ...
南北朝

杉坂へ着きたりければ

私は失敗したことがない。うまくいかない方法を見つけただけだ。エジソンはそう言ったという。さすが、ポジティブだ。私もうまくいかない方法をよく見つけるが、同じ方法ばかり見つかる。どうやら学んでいないらしい。南朝の中心として知られる児島高徳も、う...
鎌倉

猿のバケモノを退治した物語

人生で初めて買った古典が新学社文庫『今昔物語集・宇治拾遺物語』だ。学校の斡旋で買ったから、金を出してくれたのは親だ。今は手元にないので、本日紹介の説話が載っていたか定かでない。今回記事を書くにあたって熟読すると、あまり子ども向けではないよう...
平安

神のご加護で反逆者を討つ

『平家物語』の冒頭には反逆者のリストが掲載されている。「遠く異朝をとぶらえば」と中国においては、秦の趙高、漢の王莽、梁の朱异、唐の禄山の4人が挙げられ、「近く本朝をうかがふに」と我が国においては、承平の将門、天慶の純友、康和の義親、平治の信...
室町

盛者必衰の戦国美作

中国地方を代表する戦国大名といえば、毛利元就を思い浮かべるだろう。しかし、天文二十一(1552)年の段階で最強だったのは尼子晴久である。その勢力は山陽山陰11か国のうち8か国に及んだ。将軍足利義輝から、因幡・伯耆・出雲・隠岐・備前・備中・美...
幕末

貞烈で純孝な母子の顕彰

よそ者を活かすか殺すかは、その組織の体質による。コミュニケーションがさかんな職場なら、中途採用者も自己開示しやすく能力が発揮できる。風雲急を告げる幕末維新期に津山藩を動かしたのは、中途採用者であった。鞍懸吉寅(くらかけよしとら)、通称寅二郎...
江戸前期

松となって睨み合う二人の武士

政治は守旧派と改革派の対立と見ることができる。かつては古い世代を支持基盤とする自民党が戦前からの価値観を引き継ぐ守旧派であり、若い世代が支持する革新政党が平和と個人を尊重する改革派だった。ところが、近年は若い世代がアベ政治を支持し、批判する...
江戸中期

持ち帰られたお地蔵さまの首

私の高校生の頃には、マルクス主義史学がさかんだった。日本史の学参に、明治維新は絶対主義の形成かブルジョア革命か、というコラムが載っていたが、今となってはどうでもいい話だ。マルクスの階級闘争史観を日本に当てはめようとするから無理が生じたのだ。...
江戸前期

宇那提の森はどこか

のぼり棒は得意だったが、うんていは苦手だった。「うんてい」はなぜそうに呼ばれるのか、嫌いな遊具だったので考えたこともなかったが、地面に足が届く大人になり、「雲梯」と書くことを知って納得した。「雲のはしご」なのだ。なんと素敵な遊具だろうか。雲...
弥生以前

祝・岩宿遺跡発掘70年!

物事の始まりには英雄時代が必ずある。視聴率最低だが高評価の声も聞かれる『いだてん』が描いたように、我が国の陸上競技は金栗四三、三島弥彦に触れずして語ることができない。それと同様に考古学における相澤忠洋は、研究史に画期をなす発見をした英雄とい...