平安

古代山陽道の駅家二選

道の駅という便利な施設が各地にあり、旅行者が休憩したりお土産を買ったりと、思い出をつくっている。古代にも道の駅があったが、お偉いさんの公務で使われ、乗り継ぎ用の馬が飼育されていた。馬で書類や物資を運ぶ仕組みを駅伝制といい、東京箱根間でタスキ...
源平

変化する平家落人伝説

「隠れ里」とは、お客が少なくて時間と空間を独り占めできるような観光地のことだろう。もっとも「隠れ里」というPRそのものが、隠れるのに不向きなことを示している。本当の隠れ里は、グアム島にある横井さんの洞窟だったり、ルバング島にある小野田さんの...
江戸後期

江戸時代の官報掲示板

法令など政府からの情報発信は「官報」の発行により行われている。今の時代、ネット配信が当たり前に思えるが、国立印刷局などの掲示板にもアナログ掲示されるそうだ。官報の創刊は明治16年で、その前には東京日日新聞に政府の公式発表を掲載する欄があった...
戦前戦中

「道祖渓」という名称の由来

才児(さいちご)という珍しい地名が長野県(木曽郡上松町小川)と岡山県(井原市西江原町)にある。長野県は道祖神信仰がさかんだ。道祖神は「さいのかみ」とも呼ばれる。お寺には稚児行列という行事がある。これらのバラバラな情報はつながるのか、つながら...
明治

明治池のプロジェクトX

近くに溜池がないので、その有難みを知らない。私の地域で灌漑に必要なのは、一級河川から取り入れた用水である。これまで渇水で困ったことはない。逆に、床下浸水で困ったことなら二回ある。本日は明治に造られた溜池のレポートである。その名は「明治池」。...
鎌倉

受験の神様!那須与一

墓の名がバス停になっているのは全国的にも珍しいだろう。「那須与一の墓入口」と「那須一族公慕」である。「那須与一の墓入口」は北振バスの井原~美星支所線にある。平日は1日6本運行している。「那須一族公墓」は井原あいあいバスのぶどうの里線にあり、...
室町

松田氏の力量を示す無縫塔

備前の戦国は福岡合戦に始まる。城下町岡山以前、中世備前の中心は商都福岡であった。その繁栄は『一遍聖絵』に描かれている通りだ。ここを巡って争ったのは、大きく捉えれば山名氏VS赤松氏であるが、実際は松田氏VS浦上氏であった。権勢を誇ったこれらの...
明治

高級フルーツ「白桃」発見の地

今年も食べそびれたが、岡山といえば桃、白桃である。そして、岡山といえば桃太郎である。しかし、桃太郎の桃は白桃ではない。白桃は丸いが、どんぶらこのの桃は先が尖っている。何という品種か気になって調べてみると、天津桃だという。おそらく桃太郎伝説が...
弥生以前

縄文人が残したタイムカプセル

冷蔵庫の中に入れていても腐らせてしまうくらい、ずぼらだ。こんなことでは罰が当たる。食料の確保は人間として、いや生物として最優先にすべき行動である。在庫管理を徹底し、無駄を出さぬようにせねばならない。ところが驚くべきことに、縄文時代の木の実が...
戦国

吉備の中心地だった?山城

時は寿永三年二月十八日、一ノ谷の戦いによって源氏による畿内掌握が確実となった頃である。この日の『吾妻鏡』は次のように記録している。元暦元年二月十八日条より(※寿永三年はこの年元暦に改元)十八日、丁丑、武衛被発御使於京都、是洛陽警固以下事所被...