明治

武士の魂を守った男

刀は武士の魂であると言われる。確かに武士が刀を持たねばただの人だが、そんな見た目の問題でもあるまい。昨今の刀剣ブームを見れば、やはり魂を揺り動かす何かがあるのだろうと思う。刀身の煌めきだろうか、切先の鋭さだろうか、それとも刃文の妖しさだろう...
鎌倉

旅の途上で亡くなった寵妃

再来年の大河「鎌倉殿の13人」が楽しみでしょうがない。テンポのよい展開で画面から離れられなくなる三谷作品だ。主役の北条義時を小栗旬さんが演じる。昔々に「草燃える」を見ていたので、頼朝死後のドロドロした権力争いには多少の知識がある。この時の義...
古墳

前方後円墳の戦国リユース

石塔が立ち並ぶ墓地は、ご先祖様に感謝こそすれロマンに浸るような場所ではなく、ましてや知らない人のお墓には関心を抱かない。ところが、同じお墓でも古墳となるとイメージががらりと変わる。被葬者は知らない人の場合が多いのだが、「どのような人なのだろ...
神話

神々が参集した出雲の森

「建築」とひと口に言うが、「建つ」と「築く」とは意味するところが異なる。建つは「立つ」であり、柱を立てるイメージだ。いっぽう「築く」の語源は、杵で土をつき固める「杵(き)築(つ)く」という言葉らしい。古代から伝わる版築(はんちく)は、土を層...
奈良

いろは歌発祥の地

The quick brown fox jumps over the lazy dog.すばしっこい茶狐はのろまな犬を飛び越える。それで?ではない。これはアルファベットのいろは歌で、すべての文字が使用された短文パングラムである。いったい誰が...
南北朝

『忠臣蔵』と『太平記』の塩冶判官

ブログ開設以来の総アクセス数が61万を突破しました。これもひとえに皆さまのおかげと感謝し、今後の励みとしたく存じます。末永くよろしくお願い申し上げます。塩冶判官の妻、顔世御前に袖にされた高師直は、その憤懣を判官にぶつける。きれいな奥さんがお...
江戸前期

女歌舞伎は見る者市の如し

大河『麒麟がくる』のストーリーを一次史料で確認できる事実のみに限定したら、ドラマにならないだろう。それほど光秀の生涯は不明瞭なのだが、主君信長を倒すという衝撃の事実によって、知らぬ者なしの有名人になった。これまでは、いじめられた末についにプ...
神話

祝・日本書紀編纂1300年!

日本最古の天文記録はオーロラだったという驚くべき研究成果を、今年3月に国立極地研究所が発表した。当時は新型コロナの混乱ですっかりスルーしていたが、この話題は今年中に紹介しておかねばなるまい。というのも、その天体現象が出現したのは今からちょう...
大正

美しすぎる終着駅

8年前の秋、島根県立古代出雲歴史博物館で「戦国大名 尼子氏の興亡」という秀逸な企画展があった。旅先で呑むことを目当てに、朝一番の電車に乗って、特急「やくも」と「一畑電車」を乗り継いで出雲大社前駅に降り立った。電車の中で早くも呑んでしまい注意...
安土桃山

備作国境戦国若君哀話

朝倉義景の嫡子阿君丸を毒殺したのは、朝倉義景の上洛を阻止しようとする三淵藤英の奸計だったと、大河『麒麟がくる』で描かれた。義景の盟友である浅井長政の嫡子万福丸も、浅井氏滅亡後に探し出されて処刑されている。戦国の世に少年保護という考え方はない...