幕末

春の末にぞ有紀は零ける

トルバドゥール(troubadour)というフランス語は吟遊詩人と訳される。12世紀前後に欧州で活躍した宮廷芸術家である。吟遊というから種田山頭火や若山牧水のような酒と旅を愛した詩人かと思ったが、そうでもないらしい。それでも私はあえて言う。...
戦国

竹内(たけのうち)一族の堅城

武道は高校時代に選択授業で柔道をやっただけだ。その時わかったのは、組むなら上手い奴と組め、ということである。同じくらい下手だともつれて危険だ。それに対して柔道部は瞬殺してくれるので、心地よく宙を舞うことができる。そんな調子だから武道を語る資...
室町

「銭弘俶八万四千塔」の末流

遣唐使が白紙に戻されてから我が国は鎖国状態となり、独自の文化の形成が進んだ。これを国風文化という。これは正しい理解とは言えないようだ。遣唐使が停止され唐が滅亡してからも、中国との往来は活発に行われた。唐滅亡後は五代十国の時代となるが、今の杭...
江戸前期

白雲皇帝と鹿ヶ谷の陰謀

種村季弘『アナクロニズム』河出文庫は忘れられない一冊である。聞いたことのない奇妙な話ばかりで、見てはいけないものを見たかのようなドキドキ感があった。その中に葦原(あしわら)将軍あるいは葦原皇帝という誇大妄想の入院患者が登場する。自家製の勅語...
江戸中期

伊勢亀山と備中北房、続く藩領の絆

「北房ぶり市」は三百年以上の伝統を誇る大イベントで、現在は毎年2月の第1日曜日に開催されている。山間部ではめったに口にできないブリを、当時の代官が「正月くらいは」と許可したことに始まるという。ステージは「ぶり市許可状伝達式」で始まるが、これ...
古墳

吉備の地方長官が眠る終末期古墳

あらゆる技術は終末期にもっとも発達し、パラダイムシフトによって急速に淘汰される。例えばテレビ録画に便利だったGコードは、地上波アナログ放送とともに消え去ってしまった。以前の記事「城を守る大規模な畝状竪堀群」で見たように山城も終末期に最も発達...
安土桃山

方谷先生ゆかりの城は備中三名城

備中聖人と呼ばれた山田方谷を大河ドラマ化しようと先月8日、伊原木岡山県知事、高梁・新見の市長など政治家、大橋洋治ANAホールディングス相談役など財界人が、NHKを訪れ要望書を提出したそうだ。大橋さんは高梁の方である。山田方谷の志に学ぶ国会議...
弥生以前

天然記念物となった川底の穴

底に穴が開いたら使いものにならなくなるのが普通だが、川底の穴なら水が抜けたりしない。旅をしていると、時々見かける珍しい自然現象「甌穴(おうけつ)」である。本ブログでは、ずいぶん以前に「川底に開いた穴」で兵庫県の甌穴をレポートしたことがある。...
江戸中期

金毘羅大権現の常夜灯

当ブログ開設以来の総アクセス数が73万を突破しました。これもひとえにみなさまのおかげと感謝し、今後の精進を誓います。何卒よろしくお願い申し上げます。歌川広重『東海道五拾三次之内 沼津 黄昏図』には、大きな天狗の面を背負った男が描かれている。...
江戸前期

禄高一万三千石、その名は隼人

かつて島左近、平田靱負の記事を書いたことがある。浅野大学、竹内式部、山県大弐、長井雅楽など、官職のような名前の人物が歴史にはよく登場する。長年不思議に思っていたが、最近読んだ『氏名の誕生-江戸時代の名前はなぜ消えたのか―』ちくま新書で、やっ...