安土桃山

絶景スポットと山城の関係性

神南備山展望台は津山の市街地が一望できる絶景スポットである。かつては夜景スポットとして知られていたが、風紀上よろしくなかったためか、今は夕方には施錠されるようだ。まあ夜景もいいが、ここは眺望を楽しみたい。遠くは泉山(いずみがせん)、その手前...
明治

あじさい寺は文学のお寺

「あじさい寺」として親しまれているお寺は全国各地にある。境内を何千もの花々が彩り、訪う人の目を楽しませてくれる。私が訪れたのは梅雨入り前の初夏。それほど咲いてはいないが、ところどころに瑞々しい装いを見ることができた。ここは作州津山の長法寺。...
江戸前期

旅の空に名月を見た宗匠

SNSもメールも電話もなかった江戸時代に、人々はどのようにして連絡を取り合っていたのだろうか。事前に手紙を送っていたとしても、それぞれに都合や事情があるだろうし、うまく会うことができたのだろうか。本日はある紀行文を読むが、特段困ったことはな...
大正

津山のモダニズム建築

美作の小京都、津山市の魅力は旧出雲街道沿いにある。令和2年の暮れに城東地区に続いて城西地区が重要伝統的建造物群保存地区、いわゆる重伝建に選定された。江戸の面影を残す城東地区に対して、城西地区は大正ロマンで楽しませてくれる。岡山からわざわざ訪...
江戸前期

逆境を経験した者だけが知るつらさ

惨殺された侍女が化けて出たり祟りをなしたりする話がある。もっとも知られるのは皿屋敷伝説で、このブログでも「怪談・播州皿屋敷」「摂州皿屋敷」「米子皿屋敷の舞台を訪ねて」「ひとぉつ、ふたぁつ、みぃっつ」で紹介した。本日の話題には皿数えは登場しな...
江戸中期

隔てぬ影や秋の夜の月

赤穂四十七士はみな赤穂出身かと思ったら、そうでもない。神崎与五郎、茅野和助、横川勘平の三人は美作出身で、特に神崎と茅野は作州津山にゆかりがあるそうだ。大石神社社務所『実証義士銘々伝』には、神崎について次のように記されている。与五郎は、美作の...
安土桃山

執権北条氏の末裔が築いた堅城

古墳も山城も終末期にもっとも技巧的になる。その特色は古墳では精巧な石組、山城では横堀や畝状竪堀に見られるように思う。本日紹介する山城は大規模かつ見応えのある造りで、つづら折りの険しい登城路を息切れしながらも登る価値がある。さっそく紹介しよう...
安土桃山

毛利勢最前線の堅城

東西の峰がある麦飯山(むぎいやま)城には四度目のチャレンジでコンプリート出来た。最初は何年前のことだったか横田公園から西峰に登ったものの、頂上付近が藪と化していたため撤退した。二度目は比較的最近のことで西峰登頂に成功し、二重堀切を二か所確認...
安土桃山

最後まで頑張った宇喜多の城

「ご挨拶代わりに」とちょっとした贈り物をするのは、私たちの美徳だろう。もちろん手ぶらでも何の問題もないが、ちょっとした気遣いはうれしいものだ。これは現代の職場に限った話ではなく、封建領主でも事情は同じらしい。本日は名門越前松平家による領民へ...
江戸中期

飛地の領民を救った名代官

「おぬしもなかなかの悪よのう」「いえいえ、お代官さまほどでは」「なに、わしを悪人呼ばわりするとな」「めっそうもございません。お代官さま」と、代官といえば、悪代官のイメージが強すぎる。しかしそれは失礼な話で、美作国内の天領には早川代官のような...