弥生以前

瀬戸内に立つ神の岩

横たわる石を見てもなんとも思わないが、石が立っていれば不思議に思う。イギリスにストーンヘンジという謎の石柱群がある。高いものでは7mもあるそうだが、宇宙人とか巨人ではなく、紀元前2800~前1100年ごろに人によって建造されたものだ。我が国...
戦国

居住まいを正す烏帽子形城

サザンの曲に、遠くに見える「えぼし岩」が登場する。実際に見ると少し傾いた三角形で、確かに引立烏帽子のような形をしている。本日は烏帽子形(えぼしがた)城という城跡を訪ねる。どんな形をしているのだろうか。山の名は金剛山、標高は385mである。こ...
安土桃山

常山合戦の出城たち

九十九という地名で有名なのは西海国立公園の九十九島だろう。「くじゅうくしま」と読む。本日紹介するのは九十九山で「つくもやま」と読む。なぜ九十九を「つくも」と読むのか。『伊勢物語』に「百年に一年たらぬつくも髪我を恋ふらし面影に見ゆ」という歌が...
戦国

美しき山城で企てられた陰謀

「外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。」刑法第81条である。裏切り行為を禁じた規定だが、いまだかつて適用されたことがない。さすがにここまで大それた犯罪は今後もないだろう。だが、外国を敵方、日本国を味方に置き換えると...
古墳

君は蘇我稲目を見たか

昨今、旧統一教会とつながりのある政治家が次々と明らかになり、政教分離の在り方が議論されている。韓国発祥の宗教団体に政治家がお墨付きを与えたというのが問題視されているのだ。問題は韓国発祥にあるのではなく、信じる者は救われるどころか騙されるとい...
古墳

里山にある横穴式石室

古墳時代の人々は何をして暮らしていたのだろうか。あれだけたくさんであれほど大きな古墳を造ろうと思えば、相当な労力が必要だ。古墳づくりに勤しむ毎日だったのでは、と思えるくらいだ。古代エジプトではピラミッド建設の報酬としてビールが与えられていた...
室町

岩の中から出現した地蔵菩薩

仏が出現したと言ったら大丈夫かと思われるかもしれないが、磨崖仏を見た時にいつもそう感じる。もとは自然の岩だ。仏はおそらく太古の昔から岩の中にいらっしゃって、ある時代に石工が鑿を手に取り、仏の姿を浮かび上がらせた。石工の造形ではない。仏の出現...
江戸前期

家康の孫、岡山の殿様となる

「わたしゃ備前の岡山育ち、米のなる木をまだ知らぬ」という少々謎めいた歌で知られる岡山藩。ずっと池田氏がお殿さまだったが、二代までは分家で三代目に国替えによって本家が入って来た。本日は初代と二代のお墓を紹介する。お墓もすごいし、エピソードもす...
鎌倉

謎の後鳥羽上皇若皇子

ついに大河『鎌倉殿の13人』が終わってしまった。家康が『吾妻鏡』を読んでいるという冒頭からエンターテイメント満載のファイナルだった。戦いに敗れた後鳥羽上皇(尾上松也)は頭を丸め、その頭を文覚上人(市川猿之助)にかじられてから隠岐へと向かった...
鎌倉

鎌倉将軍候補の波瀾万丈伝

明日、大河『鎌倉殿の13人』が全48話の最終回を迎える。『吾妻鏡』などの史料をもとに、忠実あるいはかなりデフォルメして史実を再現しており、とても楽しませてもらった。三代将軍実朝の暗殺後、上皇は鎌倉が以前から望んでいた親王下向について「雅成親...