特集 小豆島の佐々木信胤(飽浦信胤・下) 軍記物はおもしろい。単なる記録ではなく,語って聞かせることを前提としているので,波瀾万丈の展開に構成されている。それゆえ,どこまでが史実なのか訝しげな部分も多い。香川県小豆郡小豆島町中山に,環境省の名水百選に選定されている「湯舟の水」が湧く... 2008.12.30 特集
特集 さそふ嵐に散りもこそすれ(飽浦信胤・中) 武将が味方を裏切るのには相当の事情がある。生死を左右する重大な決断である。これから話をするのは,恋ゆえに北朝から南朝に走った武将,飽浦信胤(あくらのぶたね)の物語である。岡山市の飽浦(あくら)と郡(こおり)の境に「高山城跡」がある。案内の標... 2008.12.27 特集
特集 名乗ることは守ること(飽浦信胤・上) 中世の武士は本貫地を名字として名乗った。一所懸命の武士にとって土地は命がけで守るものであった。土地の名を名乗ることは誇りでもあっただろう。岡山市郡(こおり)に「飽浦(あくら)三郎右衛門の墓」がある。郡という地名は,古代の児島郡の中心地であっ... 2008.12.21 特集
明治 真夜中に襲った津波 海に囲まれた日本では,津波は重大な災害の一つである。多くの場合,地震に伴って発生するが,本日紹介する津波は高潮により堤防が決壊したことによるものである。倉敷市広江2丁目の丘の上に「千人塚」がある。明治17年(1884年)8月25日夜半から翌... 2008.12.18 明治
源平 無下にうたてき成親卿の最期 陰謀といえば,世界史では「バブーフの陰謀」,日本史では「鹿ケ谷の陰謀」である。どちらも,時の政権を倒そうとしたことが露顕し処刑された事件である。今日は日本を代表する(?)陰謀の史跡を紹介したい。岡山市吉備津,吉備中山の山中に「大納言成親卿之... 2008.12.12 源平
平安 伝説の歌人と風流な大名 和泉式部の史跡は随所にあるので,史実としての信憑性に欠けるが,民俗学的には興味深い。式部を騙ったのか,式部に仮託したのか,式部と混同したのか,いずれにしても人々の思いが籠っている場所だ。姫路市青山2丁目の稲岡山の東山麓に「歌書ヶ渕」がある。... 2008.12.07 平安
江戸中期 神様になった大名 神社の祭神は記紀神話の登場人物の場合が多い。天下統一の三英傑も神となっている。近代においては軍神が崇められた。今日紹介するのは藩祖を祀る神社である。高槻市野見町の野見神社の境内社として「永井神社」がある。この地は高槻城三の丸北郭にあたり,高... 2008.12.05 江戸中期
安土桃山 耳塚の悲劇 秀吉は日本人にとって英雄の一人である。出世の階段を上り詰めたという人間的な魅力に加えて,太閤検地など近世社会の基礎を築いた人物として高く評価されている。しかし,朝鮮侵略(文禄・慶長の役)となると話は別だ。京都市東山区正面通大和大路西入ル南側... 2008.12.03 安土桃山
戦国 「なで切り」の時代 門柱に表札がついている。「首塚さんのおうちか…」 いや,そうではない。ここは慰霊の場所なのだ。浜松市北区細江町気賀に「堀川城趾」の石碑があり,その傍らに「首塚」はある。周辺は水田で特に高台に位置するわけではない。それでもここに城が築かれたの... 2008.12.01 戦国
戦後 三木鉄道92年前の選択 廃止前の鉄道には多くの人が訪れる。失われゆくものを惜しむ気持ちはよく分かる。二度と同じ風景を見ることができないのだ。過ぎ行く時間さえ惜しい気がする。しかし,世の中そんなものだとも思う。長い歴史に同じものが長く続いた例はないのであった。三木市... 2008.11.29 戦後