江戸前期 戦国の遺風 原野で遺骸のない棺を焼いて,その灰を埋納して塚を築く。葬送儀礼は各地で特色があるが,中でも東北の雄,伊達家の儀礼は独特だった。仙台市青葉区新坂町の増上山大願寺に「伊達政宗灰塚」がある。土塁と周壕があって古代の古墳のようだ。政宗は寛永13年(... 2009.11.01 江戸前期
明治 学都仙台の細菌学者 まだ上下水道が整備されていなかった昔,赤痢の流行はよくあることだった。その病原菌を発見したのが,教科書にも登場する志賀潔である。彼が発見した赤痢菌は「志賀菌」と呼ばれている。決してイジメではなく,名誉ある名称である。仙台市青葉区北山一丁目の... 2009.10.27 明治
古墳 第二の高松塚 高松塚古墳といえば,かつては古代ロマンの象徴的存在であったが,今や文化財保護の代表的な失敗例となってしまった。切手にもなったあの美しい壁画は二度と見ることができない。形あるものすべて壊れる,と達観してしまえばよいのだろうが,何とも惜しい気が... 2009.10.25 古墳
江戸前期 栄枯盛衰を物語る寺院 衰微した寺院を復興させるのは並大抵のことではない。藩政期なら大名の豊富な資金力による公的な支援があった。しかし,明治期の国家神道,戦後の政教分離によって,寺院は独り立ちを余儀なくされてきた。広大な伽藍を失った名刹も少なくない。仙台市青葉区北... 2009.10.24 江戸前期
明治 ゲームの中の主従は今 ゲームから歴史に入る。それもいいだろう。『戦国BASARA』にはまって武将ゆかりの地を訪れる人が多いようだ。伊達政宗が人気なのは昔からだが,片倉小十郎のようにゲームでメジャーデビューを果たすところが現代的だ。仙台市青葉区青葉町に「青葉神社」... 2009.10.17 明治
安土桃山 政宗と母の確執 母が子に毒を盛る。時として常識では考えられないことが起こる。現代の虐待事件ではない。昨今の戦国ブームで歴女から「マサムネサマ」と高支持を誇る伊達政宗の話である。仙台市青葉区北山1丁目の覚範寺の本堂裏に「保春院の墓」がある。写真では右の小さい... 2009.10.15 安土桃山
特集 世界の中心で跪(ひざまず)く(中国その七) クエイ! イーコウ,アルコウ,サンコウ… ひれ伏せ臣下どもっ! 映画かパソコンの中でしかありえそうにないことが現実だったことを理解した。これだけ巨大な権力装置を構築されたら何人もひれ伏さざるを得ない。三跪九叩頭の礼はこの場所にこそ相応しい。... 2009.10.13 特集
特集 祝・中華人民共和国建国60周年(中国その六) 中華人民共和国中央人民政府今天成立了!と毛沢東が宣言してから60年になった。中華人民共和国北京市東城区に「天安門」がある。今夏に訪れた時には久しぶりの化粧直しで足場が組まれていた。10月1日の記念式典に向けて念入りに作業が行われていたはずだ... 2009.10.12 特集
安土桃山 無血開城の英雄 無血開城といえば本朝ならば西郷隆盛に勝海舟,遠く異朝をとぶらへば北京解放時の国民党軍の傅作義将軍が思い浮かぶ。戦国の世ならば最後の一兵まで戦うのかと戦うのかと思ったら,そうでもなさそうだ。負けると分かっている戦いは無駄以外の何物でもない。大... 2009.10.12 安土桃山
特集 天を祀る天子(中国その五) 天高く…の季節になった。天を仰ぐと自分の小ささに気付く。おそらくは帝であってもそうであったろう。天子である帝が天の子として天帝を祀ることは,とりわけ重要な祭祀である。その遺跡が中国では世界遺産となっている。中華人民共和国北京市崇文区に「天壇... 2009.10.10 特集