神話

ひかえおろう

水戸黄門の面白さは,御隠居が実は天下の副将軍だったというギャップにある。では,宴の明かりを焚く下僕が皇子だったら…。『播磨国風土記』が語る貴種流離譚である。三木市志染町御坂に「志染(しじみ)の石室(いわむろ)」がある。ここは日本書紀にも「播...
神話

日本軍の誕生

天皇の率いる軍を皇軍という。皇軍がいつどこで組織されたかなんぞ,初期天皇の実在さえ定かでないのに明らかになるはずがない。しかし建国記念日のように,この日だと特定できると心地よい。今日は,日本軍誕生の地を訪れよう。宮崎市下北方町に「皇宮屋(こ...
源平

娘の孝心,父の愛情

麒麟も老いては駄馬に劣る。かつて名を馳せた強者も,日向に流され今や目が見えぬ零落した身。訪ねて来た娘に恥じて一旦は父であることを明かさなかったが,その後,里人の計らいで対面する。娘は父に屋島合戦での活躍を語ってくれるよう懇願する。父は娘を故...
戦前戦中

世界は一つの家

地球という一つの家で暮らす私たちは,どんな人とも家族のように助け合って平和に生活していこう。今では地球家族,昔は「八紘一宇」のことである。宮崎市下北方町の平和台公園に「平和の塔」がある。かつては八紘台,「八紘之基柱(あめつちのもとはしら)」...
鎌倉

新年を井戸で賀する

いくらおいしい水が湧く井戸でも,それだけでは史跡とはならない。貴人と結びつき記録に残って史跡となる。今回は新年を祝い,天皇即位を寿いだ目出度い井戸を紹介しよう。総社市上林に「松井」がある。それで?という感じだが,この井戸は『新古今和歌集』に...
古墳

美女とこうもり

恋慕,不倫,嫉妬…,小説やドラマで繰り返し採り上げられるテーマだ。また,それが無いと面白くない。男と女の物語は永遠である。総社市上林に国指定史跡の「こうもり塚古墳」がある。横穴式石室の長さは19.4mで,飛鳥の石舞台古墳(19.1m)にも匹...
古墳

日本最大の古墳を歩く

といっても仁徳陵ではない。墳丘を歩ける古墳としては日本最大である造山(つくりやま)古墳である。天皇陵も含めると全国4位の大きさだ。築造時は日本一だった可能性もある。いったい被葬者は誰なのか。「造山古墳」は岡山市北区新庄下にある。近くに同訓の...
古墳

日本発祥の地

継体天皇は天皇家の実質的な初代王という見方がある。皇統断絶の危機に伴い越前から畿内に入ってきた,あるいは応神天皇5世の孫であるという記紀の記述から,実際には王朝交代があったのではという考えである。いずれにしても古代における歴代大王の画期をな...
安土桃山

日和見こそ生きる力

日和見といえばいい加減なイメージがあるが,戦国の世を生き抜くためには,そのくらいの柔軟性はあってよい。節を曲げずに大義に殉じるのは美しい生き方かも知れぬが,滅んでしまえばお終いだ。八幡市八幡南山の八幡洞ヶ峠交差点に「筒井順慶陣所跡」の石碑が...
古墳

日韓友好の墳墓

古代の文明開化は朝鮮半島よりもたらされた。中でも“漢字”と“儒教”は日本文化形成の根幹を成す重要な素材である。それを伝えたとされるのが王仁(わに)である。枚方市藤阪東町2丁目に大阪府指定史跡の「伝王仁墓」があり,石碑には「博士王仁之墓」と刻...