平安 みをつくし 昨夏8月2日(日),車を走らせていると,作家の小川洋子さんが井上靖『天平の甍』の一節を朗読するのが聴こえてきた。FM番組Panasonic Melodious Libraryである。間もなく一行は港にはいった。かつて三韓との交通華やかだった... 2010.04.21 平安
戦後 いちめんのなのはな 教科書にも掲載されている有名な詩だそうだが,最近になって初めて知った。山村暮鳥『聖三稜玻璃』から「風景 純銀もざいく」である。ラジオから流れる子どもの声「いちめんのなのはな いちめんのなのはな…」聞いているうちに3年前に撮った写真を思い出し... 2010.04.19 戦後
戦前戦中 戦前最長のアーチ橋 直線より曲線が安定している。曲がっているのが丈夫とは,橋の話である。アーチ橋は古代ローマの水道橋など,古くから安定した構造であることが知られていた。さらには,その曲線美が街の景観を飾る効果もある。特に大阪は八百八橋,橋を渡らずして旅はできず... 2010.04.17 戦前戦中
明治 ゼネコンの本店はアール・ヌーヴォー 東京裁判,三島由紀夫のアジ演説,昭和史を語る上で欠かすことのできない2つの出来事があったのが,旧陸軍士官学校本部で陸上自衛隊旧東部方面総監部,すなわち現在の防衛省の市ヶ谷記念館である。三島がバルコニーに立ったあの建物を建てたのが,大阪では有... 2010.04.17 明治
安土桃山 秀吉を守った三本足のカラス (財)日本サッカー協会公認の「サッカーお守り」がある。青地にJFAのエンブレム,その図柄はおなじみ三本足のヤタガラスである。神話に登場する伝説の鳥,大人気のスポーツ・サッカー,お守りとして授与する神社…復古的なようで現代的なような,この不思... 2010.04.13 安土桃山
明治 日本の初期コロニアル建築 明治時代の息吹を感じたければ洋館を訪うがよい。そこには,西洋列強と互角に渡り合おうと背伸びをする元気な日本がある。形は洋にしてその材は和,名も和でありながら調度は洋,和洋混淆の不思議な空間がある。古き良き時代を偲ぶのに相応しい場所である。大... 2010.04.11 明治
古墳 31枚の銅鏡 人は光りモノが好きだ。古代人にとっても金属の輝きは格別だったろう。丸くて輝く銅鏡は太陽と同一視され,呪術的な力があると信じられていた。そんな銅鏡を大量に所有するのは,権力・権威の大きいからだろう。産経新聞の論説副委員長・渡部裕明氏は次のよう... 2010.04.10 古墳
特集 小さな城の春(あまのさすけ・後) 桜の樹の下には…,梶井基次郎には解った。あの桜の美しさは尋常ではない。昼に見上げると眩しいほどに輝き,夜にライトアップされると妖しいまでに浮かび上がる。有名な場所だけでなく,街の公園,村の鎮守など,そこここで宴会が開かれている。桜の秘密に気... 2010.04.07 特集
特集 海上を歩んだ馬の墓(あまのさすけ・前) 兵士は船で海を渡ったが,将軍は馬に乗ったまま海面を歩む。物語にリアリティは不可欠だが,荒唐無稽な話もないと面白みに欠ける。事実から最も遠い創造力の産物が実際の地図上に置かれた途端に,それは伝説と呼ばれるようになる。瀬戸内市長船町土師に「馬塚... 2010.04.04 特集
戦後 昭和の急行車両 ホームで待つ人々が何か落ち着かない。もしやと思ったら,やはりそうだった。郷愁を誘う汽車の入線である。撮り鉄ではないのだが,思わずカメラを向けてしまった。この汽車はいったい何なんだ。にわか鉄の旅が始まった。岡山駅9番ホームの津山線に臨時列車「... 2010.04.04 戦後