戦後 こいが,空に,泳いで 5月が終わろうとしているが,今さらながら鯉のぼりである。気候の変動が激しかったこの一か月,暑かったり寒かったり,風によって尾鰭が綱に引っかかることもあれば雨でだらんと垂れ下がることもあった空泳ぐ魚,その存在を讃えずにはいられない。道往く人々... 2010.05.28 戦後
江戸中期 大自治体・尼崎4万石 幕藩体制において譜代大名は要地に配される,と学習した記憶があるが,尼崎藩はその典型だろう。大坂に隣接するこの地は経済的にも軍事的にも要となるため,城持ちの譜代大名が入封した。戸田氏,青山氏を経て,松平氏の治世は160年間続いた。松平と名乗る... 2010.05.26 江戸中期
戦国 堺幕府,一瞬の夢 「崩れ」という歴史用語がある。禁教時代でのキリシタンの摘発のほかに,戦国の世で総崩れとなって大敗を喫してしまう場合に用いられる。今日は,16世紀前期に管領を務めた細川高国,そしてその対抗勢力「堺幕府」,両者の争いに関する史跡を訪ねよう。尼崎... 2010.05.23 戦国
平安 失意の菅公をもてなした人情 四国八十八箇所や七福神巡りは有名だが,「菅公聖蹟二十五拝」は知らなかった。菅公,すなわち菅原道真ゆかりの地に立つ25の神社への巡拝である。公の大宰府への配流に関係して京都から瀬戸内,九州に広がっている。大阪市福島区福島二丁目に菅公聖蹟二十五... 2010.05.15 平安
源平 お子さま義経の悲劇 「敵は海での戦に慣れたる平家。我が軍船には艫(とも)のみならず舳先(へさき)にも櫓をつけ,進退を自在にしておくことがよかろうと」「なにっ,最初から逃げる用意をしておくというのか。お前たちの船はそうするがよい。俺の船はもとの櫓でかまわぬ」「大... 2010.05.13 源平
戦後 河底に降りるエレベータ 都会には何でもあるものだな,と感心した。自転車と人がエレベータに乗って降り,歩いて河底を渡って再びエレベータで地上へ昇る。珍しそうにキョロキョロしたりカメラを向けたりしている挙動不審者は私しかいない。地元の方にとっては日常行為の一つにしか過... 2010.05.08 戦後
戦後 樽廻船の入った川の跡 廃線跡を歩くという鉄道ファンがいるくらいだから,廃川跡をたどる歴史ファンがいてもよいだろう。ここに昔,鉄道が通っていたのか。どれだけ多くの客車が往復したことだろう。そしてどんなに多くの人生を運んだことだろう。それがテツの感慨なら,この川も負... 2010.05.02 戦後
戦後 歴史あるカバヤの恩人 学生時代に自転車で通っていた頃,お菓子の工場の近くを通ると,いつも甘~い匂いがした。深呼吸をして鼻で味わって,少しだけ得をした気分になったものだ。味や香りだけでなくパッケージからおまけまで,子ども心をくすぐるしかけに満ちている。今日はお菓子... 2010.04.29 戦後
幕末 岡山藩が守った大坂 時は文久3年。孝明天皇が将軍家茂を従えて下賀茂神社に行幸し攘夷を祈願した。長州藩はアメリカ,フランスの商戦を砲撃し,しばらく後に軍艦からの逆襲を受けた。薩摩藩にはイギリス艦隊が来襲し城下に火の手が上がった。攘夷と報復の嵐が吹き荒れ,対外的な... 2010.04.24 幕末
明治 近代製鉄の嚆矢 最初の製鉄所なら八幡製鉄所だと歴史の時間に教わった。新日本製鐵の八幡製鐵所のHPには「工場は1898年(明治31)に本格的な建設に入り、1901年(明治34)2月5日、東田第一高炉に歴史的な火入れが行われ、日本で初めて近代製鉄が誕生しました... 2010.04.22 明治