神話

神武天皇御上陸

神武東征がどのような史実を反映しているのか分からないが,海上交通における瀬戸内海の存在意義は理解できる。国を興そうとするカムヤマトイワレヒコは,安全な移動,そして入念な準備のため,瀬戸内海をゆっくりと上って行った。福山市柳津町の貴船荒神社に...
特集

諸国を修行する橘逸勢の娘(橘逸勢・下)

由緒の正しさを主張するため家系図でさえ偽作されるのだ。いはんや神社の由緒においてをや。しかし,神徳を疑い事実かどうかを詮索するなら,宗教は成立しない。荒唐無稽な由緒であっても,それが語られる理由があったはずだし,信仰する人にとってそれは事実...
特集

橘逸勢父娘VS役小角母子(橘逸勢・中)

親子の情愛は他のいかなる絆よりも強い。橘逸勢とその娘の話である。父が理不尽な罪で責めを負わされたとき、娘は行動を起こした。配所に向かう父の後を追い、父が亡くなるとその地に留まり出家して菩提を弔い、父の名誉が回復されるとその骨を持って京に帰っ...
特集

パワースポット(橘逸勢・上)

三筆の一人として名高く,留学先の唐の文人から「橘秀才」とまで呼ばれた橘逸勢。彼は,死後,怨霊となった。彼がそうなったのは,冤罪事件によって配流され,結果として死に追いやられたからである。そして,その死にまつわるエピソードが後世の人の心を動か...
明治

恵方巻発祥の地

日本の年中行事はコンビニによって守られ育てられていくものなんだな。私の小さい頃には恵方巻など聞いたこともなかった。ところが今では,節分には昔からこうして食べてきたかのように,家族で恵方に向かって太巻を丸かぶりする。最近は具のバリエーションが...
安土桃山

イコーカ山

私が中学生のころ,歴史ではじめて古墳の話を聞いた。当時松永から通学していたので,いつも赤坂駅にとまるたびに,この丘をながめて,もしや古墳ではあるまいかと思って,途中下車して丘にのぼったのである。すると付近で耕作していた人から,この山は足利将...
安土桃山

落魄の将軍を訪れたVIP

足利義昭という人物は,教科書にも出てくる著名人でありながら,信長に追放されてからの後半生はパッとしない。浮き沈みが激しいのが人の世の常であり,戦国の余波醒め遣らぬこの時期にあっては尚更だったかもしれぬ。しかし,一旦は天下の将軍を務めた人物,...
幕末

残念さん

幕末の歴史には,公武合体派(保守=現実派)VS尊王攘夷派(革新=理想派)という局面があった。具体的には,会津藩・薩摩藩VS長州藩との構図で起きた八月十八日の政変(文久三年=1863)と1年後の禁門の変である。この時は公武合体派の勝利,つまり...
明治

ノブレス・オブリージュ

世の中にはいろいろな記念日があって,その由来を知るのは楽しみの一つだ。苦しい語呂合わせでの関連付けがまま見られるが,本日の紹介は由緒正しい記念日だ。5月1日の「日本赤十字社創立記念日」である。時は明治10年(1877),2月に勃発した西南戦...
源平

地方繁栄の端緒となった別荘

別荘を持つことは一つのステータスであり庶民の夢である。昔だってそうだったろう。下級貴族であっても,チャンスさえあれば上昇気流に乗って,地位や名誉に財産を手に入れたいと考えていたに違いない。尼崎市杭瀬寺島2丁目に「寺江亭阯傳説地」の標柱があり...