明治

山門となった城門

かえすがえすも惜しいと思うのが、戦災と廃城令と一国一城令である。この三要因によって、どんどん城は取り壊されていった。残っておれば文化財としても観光スポットとしても高く評価されただろう。こんな無責任な感想を言っても仕方がない。それぞれの要因を...
戦国

島村蟹の居城

それにしてもヘイケガニの甲羅の模様はよくできている。これは伝説を生まずにはおかない。平家の怨念を表しているという。異名を「武文蟹(たけぶんがに)」ともいい、こちらは南朝の忠臣・秦武文(はたのたけぶん)の生まれ変わりだという。同様な命名で「島...
安土桃山

宮本武蔵を見ていた椋

宮本武蔵の生誕地争いは傍から見ているとおもしろい。自身が書いた『五輪書』に「生国播磨の武士、新免武蔵守藤原玄信」と記しているので争う余地がなさそうに見えるが、播磨説を凌駕しているのが美作説である。吉川英治が小説で採用したことから台頭し、行政...
神話

英雄とのゆかりを求めて

伝説とはいつの時代から伝えられてきたのだろう。伝説にもさまざまな種類があるが、おそらくは英雄の物語が最も古いのではないか。英雄が留まり言葉を発した場所に伝説が生まれる。今日のヒロインは神功皇后である。姫路市網干区和久に「神功皇后舩繋岩」があ...
源平

水を盗むのだから

源頼朝に父義朝の髑髏を示して挙兵を迫る。仏に仕える身にして豪胆無比。恋愛に殺人。物語性を備えた人物像は人をして魅了せずにはおかない。その豪僧の名は文覚である。兵庫県揖保郡太子町原の福井大池のほとりに「文覚上人腰掛石」がある。濃厚なキャラの文...
古墳

東からやってきた渡来人

歴史用語は歴史認識を示すものとして重要だが、時代の変化や研究の深化によって歴史認識が変わると用語も変えられる。私は「渡来人」という用語が広まり始めた頃に、それを学校で教わった。それまでは「帰化人」と呼んでいたが、「帰化」という概念が朝鮮から...
幕末

明治維新の起点

大沢たかお主演『桜田門外ノ変』を見に行った。スケールの大きな、よくできた映画だと思う。井伊大老襲撃のシーンは圧巻であり、こちらも身構えてしまうほどだ。今日はその関連史跡をレポートする。 港区愛宕一丁目の愛宕神社境内に「櫻田烈士愛宕山遺蹟碑」...
古墳

石棺の転用

墓石を粗末にするなど、罰が当たるとか祟られるとか心配するのが普通だが、それが現代人の感覚なのだろう。以前に姫路城に行って石棺が石垣に転用されているのを見てびっくりした覚えがある。考えてみれば、四角に加工されているのだから積むのにもってこいで...
鎌倉

元寇を知らせた道

敵国襲来!今ならミサイル発射でもレーダーが感知しパトリオットで迎撃するのだろうが、昔はそうはいかない。モンゴル軍の襲来である。九州と鎌倉は離れているのだ。しかし、一刻も早く知らせなければ!当然、早馬が駈けたに違いない。兵庫県揖保郡太子町の松...
明治

明治天皇の小休止

今では山陽道は山陽自動車道のことをいい、まさに国土軸を形成する幹線道路であるが、近世の山陽道も当時の幹線道路だった。明治になっても近世山陽道の役割は衰えることはなかった。その重要性は、明治天皇、伊藤博文というVIPが通過していることから分か...