江戸後期

金気のない清らな水

弘法井戸は以前にも紹介したことがある。全国に分布する伝説だから旅の途中で見かけることも多かろう。中には大師に親切にしなかったから涸れてしまったなどというのもあるが、今回は、立派な覆屋が作られ今も水を湛えた井戸の紹介である。寝屋川市緑町に「田...
江戸前期

渡来人のアイデンティティ

広隆寺の半跏思惟像のアルカイックスマイルは小学生の私の心をも捉えた。図工の時間に模写して塩ビ板にニードルで刻んだ。スマイルは再現できなかったが、好きな仏像第1号となった。広隆寺は京都の太秦(うずまさ)にある。私は行ったことがない。今の小学生...
鎌倉

河内の刀匠、備前へそして京へ

現在、国宝や重文に指定されている刀剣に備前刀が占める割合は大きく、特に鎌倉時代の秀作が目立つ。武事に積極的だった後鳥羽上皇は、全国から刀鍛冶の名工を召し出し月交替で作刀させた。「御番鍛冶」の制度である。まずは吉川弘文館『国史大辞典』に説明し...
幕末

3日で終わった討幕の先駆

世直しといっても、まつりごとを私する奸物を除くのは「改革」だが、権力そのものを否定するのは「革命」である。そういう意味では桜田門外の変と天誅組の変・生野の変は指向の異なる動きである。今回は生野の変を取り上げるが、これは幕政改革を目指したもの...
明治

真に美しい橋

橋には様々なデザインがあり、通行の便宜を図るだけでなく景観を生み出す役割もある。我が家の近くの橋は2車線の対面通行であったが、交通量の増加に伴いもう1本平行して架橋され、上下線が分離された。面白いのは橋の形状で、古い方にはアーチがあるが新し...
江戸中期

象も泊まるほどの賑わい

宿場町だったことは今や貴重な観光資源である。当時を思わせる町並み、さらには本陣の建物でも現存していれば、かなりの‘売り’だ。中仙道の妻籠宿、会津西街道の大内宿などが観光地としてよく知られている。倉敷市真備町川辺に「川辺脇本陣跡」がある。本陣...
明治

地の下の銀

「坂の上の雲」ではないが、近代化をめざす明治国家には活気がある。乾いた土に雨水が浸み込むように知識や技術を吸収していった。貴重な雨水をもたらせてくれた「坂の上の雲」はお雇い外国人である。朝来市生野町小野の生野銀山に「フランソワ・コワニエ像(...
安土桃山

シルバーラッシュの象徴

ずいぶん昔に佐渡金山に行って驚いた。山が割れている…。有名な「道遊の割戸」である。標高が高く、山頂部が深くV字形になった稜線が、青い空を背景にはっきりと見えた。人間の執念は山の形を変える。朝来市生野町小野の生野銀山に「慶寿の堀切」という露天...
戦国

策謀の犠牲となった若君

宇喜多直家は、城下町・岡山を開府したことから岡山での評価は悪くないのだが、全国的には手段を選ばぬ策謀家のイメージが強い。実際にそうした事例が目立つのだから仕方がない。今回も直家にとって不利な史跡の紹介である。岡山県和気郡和気町岩戸に「浦上与...
戦国

浦上氏、つかの間の覇者

戦国大名がどのように評価されているかを測る指標にイベントの有無がある。播磨の名族・赤松氏には「白旗城まつり」がある。岡山の雄・宇喜多氏には「宇喜多秀家☆フェス」がある。宇喜多氏は下剋上の典型で、守護大名の赤松氏の実権を守護代の浦上氏が奪い、...