明治

真に美しい橋

橋には様々なデザインがあり、通行の便宜を図るだけでなく景観を生み出す役割もある。我が家の近くの橋は2車線の対面通行であったが、交通量の増加に伴いもう1本平行して架橋され、上下線が分離された。面白いのは橋の形状で、古い方にはアーチがあるが新し...
江戸中期

象も泊まるほどの賑わい

宿場町だったことは今や貴重な観光資源である。当時を思わせる町並み、さらには本陣の建物でも現存していれば、かなりの‘売り’だ。中仙道の妻籠宿、会津西街道の大内宿などが観光地としてよく知られている。倉敷市真備町川辺に「川辺脇本陣跡」がある。本陣...
明治

地の下の銀

「坂の上の雲」ではないが、近代化をめざす明治国家には活気がある。乾いた土に雨水が浸み込むように知識や技術を吸収していった。貴重な雨水をもたらせてくれた「坂の上の雲」はお雇い外国人である。朝来市生野町小野の生野銀山に「フランソワ・コワニエ像(...
安土桃山

シルバーラッシュの象徴

ずいぶん昔に佐渡金山に行って驚いた。山が割れている…。有名な「道遊の割戸」である。標高が高く、山頂部が深くV字形になった稜線が、青い空を背景にはっきりと見えた。人間の執念は山の形を変える。朝来市生野町小野の生野銀山に「慶寿の堀切」という露天...
戦国

策謀の犠牲となった若君

宇喜多直家は、城下町・岡山を開府したことから岡山での評価は悪くないのだが、全国的には手段を選ばぬ策謀家のイメージが強い。実際にそうした事例が目立つのだから仕方がない。今回も直家にとって不利な史跡の紹介である。岡山県和気郡和気町岩戸に「浦上与...
戦国

浦上氏、つかの間の覇者

戦国大名がどのように評価されているかを測る指標にイベントの有無がある。播磨の名族・赤松氏には「白旗城まつり」がある。岡山の雄・宇喜多氏には「宇喜多秀家☆フェス」がある。宇喜多氏は下剋上の典型で、守護大名の赤松氏の実権を守護代の浦上氏が奪い、...
江戸前期

小大名の底力

戦国の世渡りは難しかっただろうとつくづく思う。織田信長の家臣だったことは初めから勝ち馬に乗っているようなもの…いや、実のところまったく違う。信長の粛清をくぐり抜け、秀吉、家康へと吹く風をうまく読まねばならない。むしろ、最終局面で馳せ参じて大...
古墳

再び、石棺の転用

以前に「石棺の転用」と題して橋として利用されていた石棺の蓋の話をした。今度はテーブルとして利用されていたケースの紹介である。姫路市太市中の太市中墓地に今は使われなくなった引導台がある。被写体とはしていないが周囲には墓石がたくさん並んでいる。...
平安

古代日本の大動脈

東京と大阪を結ぶ交通路は現在の日本の大動脈である。それは、東名・名神高速道路であり、国道1号線であり、東海道新幹線であり、東海道本線であり、遠い将来は中央リニア新幹線となるルートである。しかし、古代日本に東京はなかった。畿内と結ばれていたの...
神話

岩を通した皇后の矢

岩には不思議な魅力がある。大きさ、形のよさから微妙に動く岩まで楽しむ要素は多い。その不思議さに神が宿ると考えられたり、英雄と関連付けられたりする。そして信仰の対象となっていく。今日は見事に割れた巨岩にまつわる伝説を紹介しよう。姫路市西脇に「...